そんな整形タレント・ヴァニラのブレイクは、6年前の4月のことだった。

 TBS系列のバラエティー『私の何がイケないの?』に出演、大反響を巻き起こしたのだ。当時の反響をヴァニラさんが思い出して言う。

「すごかったです。整形なんてよくないものとされているから、すごいバッシングがくるだろうと思っていたのに。でも、印象に残らないより、バズっても印象に残ったほうが絶対いいと、思い切っていろいろ言ったら意外と肯定派が多くって、びっくり(笑)」

 好意的な声が届く一方で批判もあった、と中井さんは明かす。

「爆発的な反響がありましたが、男性は圧倒的に批判する人のほうが多かったですね。でも、本人に落ち込む様子はまったくありませんでした。世間的には、整形って“可愛いと言われたい”とか“モテたい”とか、周りの評価を上げたくて受けるじゃないですか。でもヴァニラの場合はそういうのとは根本が違う。

 誰にどう思われたいとか認められたいとかは、ひとつもないんです。フランス人形のようになりたいという目標があって、それを目指してやっているだけ。本人にとっては世間の声とか評価とかは、まったく気にならないんです

ヴァニラ女子の急増、月々の美容費

 2018年8月には、そんな“わが道を貫く”ヴァニラさんに憧れて、同様の整形願望を持つ通称“ヴァニラ女子”の特集まで組まれるほどに。取材をさせてもらった『BAR Vanilla』には、ヴァニラ女子たちの教祖ともいえるヴァニラさんを慕っての来店が引きも切らないという。

 代表の熊谷誠士郎さんが、

「来客には“会いたかった”と言って来てくれるファンが多いですね。中には感激して泣いた子もいました。整形を公表している生きざまが素敵だという人も多いです」

 こうした声にヴァニラさんは、

「認めてくれる人がいるんだと思うと、整形についていろいろと考えるようになりました。それまではあんまり深く考えたことはなかったんですけど、そういう人たちの光になれればいいな、と。偏見をなくしていこうと、メッチャ思いましたね」

 他に類を見ないタレント、悩める女子たちに心から寄り添える整形タレント、ヴァニラ誕生の瞬間だった。

 衝撃のブレイクから6年。

 これまでの整形費用は総額2億円を超えた。目だけを挙げても、ヒアルロン酸注入などのメンテナンスを含めれば30回以上。正確な回数は、本人にさえわからない。

 美容にかける費用も月に200万~300万円を超える。レーザーや水光注射(美肌注射)、1本1万円の脂肪融解注射などの費用でこの金額。カスタムが加わればさらに数十万から数百万円が追加される。

「カスタムした場所に関しては、むしろやっていないことを言ったほうが正確かも。骨切り系はやっていません。やってみたいけど、本当に信頼できる先生じゃないと怖くて考え中。でも、やるんなら、頬骨とVライン(あごの骨)を削るか。ルフォー(鼻下の骨を削って長さを縮める)とかもやりたいなあ」