精神的に弱っていたときに運悪く現れた男

「これって完全にヤリ逃げですよね! 身体をもてあそばれ、ありえない嘘をつかれ、フェードアウトされました。とても辛くて食べ物も喉を通らない。会社には出社していますが、身が入らず、精神的に不安定です。会社から部門を変えられ、収入も減りました。でも、生活があるので辞めたいけれど辞められません。ひどすぎます!」

 桃子さんは怒りを露わにしますが、桃子さんいわく彼とは真面目な交際で、彼に結婚する気があると思っていたので身体を許したそう。桃子さんの誕生日が近づくと「お祝いさせてほしい」と約束してくれたので、彼は自分のことをちゃんと考えてくれていると思い込んでいたのです。

 しかし、彼の態度はその連絡があった日を境に急変。誕生日の当日まで彼からの連絡はなく、ようやく返事があったのは誕生日の3日後。

「急に手術をすることになった。落ち着くまで会えない」

 いかにも嘘臭い言い訳に対して桃子さんは「どういうつもりなの?」「どこの病院なの?」「どのくらい待てばいいの?」と矢継ぎ早にLINEを送ったのですが、「俺が嫌がることをしたから会いたくない」というメッセージを最後に、待てど暮らせど“既読”にならず。彼が桃子さんをブロックしたのは明らかでした。

「このときに騙されたことを知りました。このまま別れるなら慰謝料を請求するからって伝えましたが、何も反応がないんです!」

 桃子さんは結婚したら彼の地元に住もうと、今の会社を退職するつもりでしたが、この膨らんだ妄想は淡くも消えました。桃子さんは昨年、父親を亡くしたばかりで精神的に弱っており、誰かにすがりたい一心で“出会い”を求めてきたところ、運悪く現れたのが今回の彼でした。

「どうせ最初から身体目当てだったんですよ。彼が本気だと信じていたから身体を許したのに。これってレイプですよね!?」

 桃子さんの恨み節は止まりません。