ケース3:裁判員に「参加」したが辞退/佐藤貴美さん(仮名)

【千葉県・34歳・販売業 家族=父と母】

◆呼出状が2通同時に?
 最初の呼出状が来た1か月後、もう1通、別の裁判のが届いたんです(笑)。1通目は「あぁ来たか……」くらいでしたが、さすがに2通目は「こんなことあるの!?」と驚いて。思わず前例があるのか調べちゃいました(笑)。ちなみに、一方の選任手続きを進めると、もう一方は自動的に手続きから除外される仕組みになっていて、私も2通目の裁判は自動的に参加できなくなりました。

全候補者の中から裁判ごとに抽選されるため、呼出状が同時期に複数届くというレアケースも発生する
全候補者の中から裁判ごとに抽選されるため、呼出状が同時期に複数届くというレアケースも発生する
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◆くじでハズレるとどうなる?
 辞退する気持ちはなかったです。理由がなかったのもあるのですが、興味があったので。手続き当日、候補者が座るイスは30席くらいあって。うち1席はおそらく事前に辞退をした人の分。事前辞退者の席まで一応用意されているんだな、と思って厳格さにびっくりしました。結局4、5人が当日欠席のようでした。

 男女はほぼ半々で20代前半の若い人から60代後半くらいまで幅広かったですね。「選ばれたのだからしっかりやろう」と覚悟していたのですが、最後の抽選でハズレちゃって(苦笑)。「3分の1の確率をハズした……」とがっかり。ハズレた人たちはその場で解散。裁判所見学もできました。ここまで全部で1時間くらいだったと思います

◆参加して思ったことは?
 裁判裁判で扱う事件そのものを見直したほうがいい気もしました。凄惨な事件だと法の素人には荷が重すぎて。呼出状が届いた時点では、自分がどんな事件を担当するのかわかりません。私が住んでいる近くでは、ニュースにもなった大量殺人事件が起きたところなので、「あの事件かもしれない……」という緊張感は、正直ありました。

 最初の時点で大まかに「どんな事件か」は教えてくれてもいいんじゃないかとは感じました。候補者によっては、「どんな事件を担当するかわからなくて不安だから辞退する」という人もいると思うので。