ケース2:裁判員に「参加」/花村麻理絵さん(仮名)

【京都府・38歳・パート 家族=夫と7歳&5歳の娘】

◆なぜ辞退しなかったの?
 正直、「私にできるのかな……」と悩みました。2人の子育て中だったので。「子どもが小さいので」「義両親の体調が悪いので」と、辞退の言い訳を考えたりもしましたね(苦笑)。でも経験したら、「子どもたちに伝えられることがあるかも……」とも思って。参加を決意しました。

◆選任手続の様子は?
 解説DVDを見た後、担当する事件をそこで初めて知りました。その時点でも辞退の意思確認がされ、事件に関係する可能性のある人や精神的な負担が大きいと思う人は辞退できる、という話でした。その後のくじ引きで、いきなり当たってびっくり! 実際の裁判はその翌日からで「あぁもう、始まっちゃうんだ……」と。心の準備は正直そんなにできませんでした。

◆実際の雰囲気は?
 裁判員のプライバシーを守るために、名前ではなく番号で呼ばれて。「○番さんはどうですか?」とか。控室にはお茶とお菓子も用意されていて、リラックスできました。お菓子は裁判長のポケットマネーだそう(笑)。

◆素人でも大丈夫?
 私はどちらかというと、人前で意見を言うのは苦手。でも裁判官の方々は“上から目線”なんてことはなく、わかりやすく説明して、質問や意見も聞いてくださいました。

◆実際の法廷は?
正直、自分がなんだかドラマのワンシーンにいるような気がして(苦笑)。「人を裁く」実感がわかなかったのですが、証拠写真を見たり証人の証言を聞いているうちに、責任感がわきました。「私たちの評決で人の人生が決まるんだから、なんとなくの考えや意見では決められない」って。

◆難しかったことは?
 ニュースを見ているだけなら、「許せない」という感情論だけでいいけれど、裁判では証拠に基づいて意見を言って判断する必要があって。私には「なかなか難しいなぁ」というのが、正直な感想です。

◆経験して思うことは?
「自分とは関係ない」と思っていた事件について、これほどに真剣に必死に考えたことはない、くらい考える4日間でした。大変でしたが、貴重な経験で、やっぱりやってみてよかったと思います。