3歳で脳性まひと診断され、リハビリのために4歳でバイオリンと出会った式町水晶。障がいに負けずにメジャーデビューを果たし、この秋、セカンドアルバムも発売。さらに自らがモデルとなった漫画がコミックスにも。ホールデビューから見守り続けてきた斉藤倫先生、母・啓子さんと3人で語る漫画デビューの面白裏話は──。

水晶くんのことを漫画に描ける人は、私しかいないだろう、という気持ちで(笑)。長い間、ずっと温めてきたものが、やっと形になりました

 そう思い入れたっぷりに語るのは現在、月刊誌「BE・LOVE」(講談社)で『水晶の響』を連載中の斉藤倫先生。

漫画家・斉藤倫の出会い

「たまたま知り合いに誘われて当時、高校2年生だった水晶くんのコンサートを見たんです。その堂々としたパフォーマンスとバイオリンの素晴らしさ。さらに障がいがあることを知り、そのすべてに感動して“見つけた!”って感じでした(笑)

 それは、彼にとって初めてのホールコンサートであり、東日本大震災被災者へのチャリティーコンサートでもあった。水晶自身も、その当時を振り返る。

「あのころの僕は、車いすを使わなくなって1年半くらいで、開始3曲でバテるほど体力がなかったし、身体も華奢で体重が46kgしかなかった。それからの成長を倫先生がずっと生で見続けてくださってるのが、ありがたいですね」

 彼のメジャーデビューと同時に読み切りで『水晶の音』を掲載。そして、'19年6月号から連載がスタートした。

「僕は漫画やアニメが好きだから、こんな幸せなことがあっていいんだろうかって。漫画は僕をモデルにしてるので実名だし、話の背景も僕が体験したことが入ってるけど、フィクションだから、僕自身の人生とは違う展開があることにワクワクするんです。いちばん印象的なのは、小学校のクラスメート、ヒロインの葉月唯ちゃんの登場です。その性格も、ちょっとクールでツンデレで、僕のいちばん好きなタイプなんですよ!(笑)」

 その言葉に斉藤先生も、「好みのタイプとは意図してなかったけど、水晶くんに楽しんでもらえてよかったです」と、愉快そうに笑った。

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