結婚相談所には、お見合い後にお互いのお人柄を知る期間である“仮交際”と、それを経て結婚へと気持ちを固めていく“真剣交際”の区分があります。

 茂雄さんは悦子さんに、真剣交際を申し込みました。ところが、悦子さんの答えは、「少し時間がほしい」というものでした。

 3週間経ったのですが、答えは返ってきません。それどころか、体調が悪いことを理由に、3週間デートをすることもありませんでした。もし真剣交際に入る気持ちがないのなら“お断り”すればいいのですが、その返事も3週間ありませんでした。

 ずっと返事を待っていた茂雄さんですが、ただ時間だけが過ぎていくことを懸念して、交際を終了することにしました。

 私もその決断が正しいと思いました。真剣交際をお相手に申し込まれた時点で、それを受けるかお断りするかの決断ができず、答えを引き延ばしている人は、永遠に決断ができないからです。

 悦子さんは、物事を論理的に考え、仕事も効率よくこなしていく才女。だからこそ決断できなかったのかもしれません。

 結婚には筋道のないドラマがたくさん待っています。頭で考えても答えが出るものではありません。結婚式やウェディングドレスや指輪に憧れを持つ女性は、筋道のないドラマに身を委ね、ヒロインになることに憧れます。

 ですが、結婚式やドレスや指輪にお金を使うなら性能のいい家電を買いたい、と思ってしまう悦子さんのような性格の女性は、筋道のないドラマに身を委ねる気持ちに迷いが生まれるのでしょう。

 清水の舞台から飛び降りるような勢いと無鉄砲さも、結婚を決断する時には必要なのです。

自分のためにお金は使うが、人のためには使えない

 美由紀さん(仮名、39歳)は、婚活パーティで謙也さん(仮名、40歳)とマッチングして、お付き合いをするようになりました。それから2か月後に真剣交際に入ったのですが、結婚話を具体的にするようになると、謙也さんからは、ネガティブな発言ばかりが出てくるようになりました。

 美由紀さんが私に相談してきました。

「彼には、バイクの趣味があって、ツーリング仲間もいるようです。この間、結婚後のお金の話をしていたら、『もし結婚したら、趣味に費やすお金がなくなる。それが自分にはストレスになると思う』って言うんです。あと、ひとり旅が好きみたいで、『結婚しても自分の時間がほしいし、ひとり旅に行く時間とお金がなくなるのは嫌だ』って。そんなに結婚に否定的なら、なんで結婚相談所に入って婚活しているのか。なぜ私と真剣交際に入ったのか、疑問になりました」