A「収入が減ったとしても、やりたいことをしている人のほうが、むしろ好感度は高いくらい。人気演歌歌手だった香田晋は、長年介護をしていた義理の祖母を亡くしたことをきっかけに僧侶になった。僧侶の務めを果たしながら、地域イベントで歌を披露しているそうです」

C「そういう話を聞くと、素敵なセカンドキャリアだなって感じますね」

A「お金や人気がすべてじゃないことを(元を含む)芸能人が教えてくれるのは、こちらとしても救いがありますよ」

夢中になるものを突き詰めると開花する

 興味のあったことを突き詰めた結果、立派なセカンドキャリアを形成している芸能人も少なくない。今や、テレビに出て好感度を上げるだけが、芸能人のキャリアアップではない!?

A「小阪由佳あらため小阪有花も現在は、保育事業コンサルティングや保育事業向けITソリューションなど、保育の仕事に進んでいますね。うつ病になってしまった後、“自分の好きなことをやっているとよくなっていく”という言葉からも充実度がうかがえます」

B「まさに彼女を見ていると、芸能界がすべてじゃないことがわかるなぁ。確か、高木美保も農業を始めたのはパニック障害の治療を兼ねてましたよね。今では芸能活動が副業と言うまでになって(笑)」

A「意外なセカンドキャリアといえば、お笑いコンビ元『アリtoキリギリス』で俳優としても活躍している石井正則。彼は、“バイテン”と呼ばれる大型カメラを使って、全国に13か所ある国立ハンセン病療養所の撮影をしています」

C「“バイテン”って、昔の人が撮影するような三脚を立てて撮る本格的なカメラですか!?」

A「そうそう。2016年からハンセン病療養所を撮影していて、今年2月から国立ハンセン病資料館で写真展を開催することも決定している」

B「役者のイメージはあったけど、いつの間にか本格的な写真家としてのキャリアも築いていたなんて知らなかったな。いまもどこかで、われわれが知らない間に芸能人たちはキャリアを磨いてるんだろうな……」

C「やっぱり芸能人として売れた人って、それなりに才能があるからこそ売れたと思うんですよ。ですから、夢中になれるものを突き詰めていくと、やはりそっちの世界でも才能が開花するような気がします」