「うまくいかないのは神様のせい」

 以前は自室でゲームばかりやっていたという。1日のほとんどをゲームに費やしていたこともある。

「ゲームの攻略法などを発信していた時期もありましたけど、そういうのは企業が載せるようになって個人としてはできなくなっていった」

 ひとりが好き。寂しいという感情は人より少ないと思うと彼は言う。

「居場所を求めて当事者会に行ったこともあるんですが、人といると、どうしても気を遣って疲れちゃうんです。LGBTプラスひきこもりの会に行ったときは、みんな物静かでコミュニケーションがとれなかった。私も含めてそういう人たちは、行っただけで疲れ果てて、コミュニケーションをとるどころじゃないんですよね」

 1日中ネットを利用しているので、最近、FXを始めた。まだ勉強中だが、これで少し稼げるようにしたいと言う。

「稼ぐ手段としては悪くないと思います。景気を考えながらチャートを分析したりするのはけっこうおもしろい。気づくと何時間もパソコンの前に座っています。これでまずは50万円を稼ぎたい」

 その50万円で声帯の手術をし、もっときれいな女性的な声に変えたいのだという。少しハスキーではあっても決して男っぽい声ではないのだが、「どうしても声がいや」だし、喉仏(のどぼとけ)が出ているのが耐えられないと言う。

 現在はブログを書いたり『ひきポス』に原稿を載せたりしている。たまに出席する当事者会で「おもしろかった」と言われると、うれしくなると笑みを見せた。

「最近、人生がうまくいかないのは神様のせいだと思うことにしているんです。親は頑張って苦労しながら育ててくれた。私も頑張ったつもりだけど、何をしてもダメ。職歴もないし、まったく自分に自信がもてない。今もダメな人間だと思っています」

 あんな独創的で繊細な文章を紡ぐことができるのに、うさみんさんは自分で自分をばっさり斬る。自分を切り刻みながら生きているような痛々しさもありながら、それでもきっと独自の世界で生き抜いていけるはずだというかすかな希望も感じさせる言い方だ。