小池栄子(39)の女優業が好調だ。昨年10~12月期のドラマ『俺の話は長い』(日本テレビ系)では、生田斗真扮する主人公の姉を演じ、息の合ったやりとりを見せた。今年の2月には大泉洋とダブル主演する映画『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』が公開される。

 また、1月11日放送の『あなたが主役 50ボイス』(NHK総合)では、沢尻エリカの降板で揺れた大河ドラマ『麒麟がくる』の代役オファーの話題について「正直、ちょっと待ってました」と冗談めかして語った。だが、実際のところ彼女にそういう話が来てもおかしくはない最近の活躍ぶりだ。

 もっとも、'98年に17歳でデビューしたとき、彼女がこうなるとは誰も予想しなかっただろう。当時のキャッチコピーは「宇宙一のメロンパイ」。91センチというバストを持つ、巨乳グラドルとして男性ファンを魅了した。それがいまや、女性人気の高い実力派「女優」である。

 ちなみに、小池を発掘したのは野田義治さん。芸能プロダクションのイエローキャブを創業して「巨乳」ブームを巻き起こした男だ。彼はスカウトした娘の親に対して、こんな口説き文句を使っていたという。

売れるにしたがって服を着せていく。つまり、私の仕事はお嬢さんに服を着せていくことというわけです

 だが、そこからが難しい。巨乳グラドルが売れて服を着るころ、次のステップにうまく移行できるとは限らないからだ。

 グラビアアイドルから女優として芸能界に生き残る人は雛形あきこ(41)もいるが、こちらはもともと子役出身。しかも、好感度はナインティナインらと共演したバラエティー番組『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)で得たところも大きい。

 ではなぜ、小池は女優として成功したのか。

女優として開花した“転機”とは

 転機は、NHKを代表する2大ドラマだろう。'03年の朝ドラ『こころ』でヒロインの友人役、'05年の大河ドラマ『義経』では巴役に起用された。どちらも、男まさりなキャラである。

 また、'11年の映画『八日目の蝉』では、新興宗教の施設で育てられ、男性経験のないフリーライターを演じた。3作品とも、嫉妬されにくい役という点で共通しており、同性から役を通して好感度を得ることができた。

 これが同じ「巨乳」グラドル系でも細川ふみえ(48)あたりだとそうはいかない。'94年の主演ドラマ『幕末高校生』(フジテレビ系)でイケメン生徒たちとタイムスリップする新米教師役など、いかにも同性のやっかみを買いそうな役どころであったからだ。

 さらに細川は歌手として『スキスキスー』『にこにこにゃんにゃん 』『だっこしてチョ 』といった曲を連発。'93年には建設省(現・国土交通省)の治水推進ポスターに、水遊びでスカートが濡れた姿で登場したところ、扇情的だとしてフェミニスト系の政治家に抗議されてしまった。今でこそ、50代手前でも際立つ艶っぽさに憧れる女性もいるが、当時は同性からの支持を得るのはなかなか難しかっただろう。

 一方、小池は'06年から『日経スペシャル カンブリア宮殿~村上龍の経済トークライブ~』(テレビ東京系)のサブMCを務め、お堅い仕事もきっちりこなしながら、「巨乳」グラドル時代のイメージを消していったわけだ。