通常はスポンサーが番組制作費を提供するが、『欲望の塊』はホストたちの払った参加費が予算のすべて。T氏は陸斗氏のホストクラブを含む各店へ営業を開始し、およそ2000万円の集金に成功。

「TOKYO MXの深夜枠は、所在がわかる会社がお金を払えば企画が通ります。放送前に番組内容などのチェックは入りますが、よほど倫理的にまずくない限りNGにはなりません」

S社長の番組降板で、賞品やギャラ未払いが発生

 番組の放送枠を抑え、いざ撮影が始まるとS氏とT氏の思惑がずれ始める。

「S社長は、制作費を抑えて少しでも自分の懐に入れることしか考えていないので、制作スタッフはごく少数。放送作家すらいれません。一方のT社長は番組制作の経験はゼロ。だからなのか、企画会議でイス取りゲームやトランプといった誰でも考えつくアイデアしか出しません。なのにヤル気のないS社長はその案を全部採用。結果、まったく面白くない番組になりました」

 ふたりの関係は番組の途中であっさり破綻してしまう。

「番組の出来の悪さと、S社長のかさ増し請求に怒ったT社長は大ゲンカ。S社長は途中で番組を降板してしまい責任の所在があやふやに。こんな経緯で賞品やスタッフへの支払いが滞っているのです」

 番組MCを務めた極楽とんぼの山本にもギャラが支払われていないという。彼の所属事務所に支払いについて問い合わせたが、期日までに返答はもらえなかった。

「番組予算があとどれくらい残っているのかはT社長しかわかりません。でもランボルギーニを買ったり、未払いの制作費を支払えるほど残っていないと思います……」