では、この新ルートによる騒音問題と嵐のコンサートのピンチ、「どこに問題があるの?」と思われるだろうが、問題はある。

 これまで嵐が旧国立競技場で開催したコンサートは、いずれも開演時間は午後5時半、もしくは6時。今年は時間変更されるのなら話は別だが、同時刻を予定してる場合、オープニングから5人が歌っている途中で何度も何度も「ゴォォォーーー」。バラード曲の最中だったら台無しだ。メンバーもファンも、そんな“騒音の嵐”に苛まれるかもしれない。

 一方で、後に新国立競技場で行われる東京五輪開会式は午後8時スタートと、こちらはセーフ。しかし、新ルート運用時間中に、同会場で行われる競技には何らかの影響がでそうだ。

飛行機よりも“騒音”…!?

 もしかしたら「嵐ならありえる !?」と思い、コンサート当日の新ルート運用時間の変更はあるのか国土交通省航空局首都圏空港課に聞いてみると、

「今のところ、運用のタイミングや、時間帯を調整するということについては(変更する)話はきておりませんので、現状は検討を行っていないというようなところでございます。(五輪関係やコンサート開催時も上空を飛行機が飛ぶ)可能性はございます」

 やはり避けられなかった。それでも、ファンにとってはかすかな望みも。

羽田空港周辺の風向きですが、日の中で変わってくることも当然ございます。その中で1日の(北風時のパターンと南風時のパターンの)運用も切り替わるということもございます。どのタイミングでどの運用を行うのか、随時、羽田空港の管制官が現場の状況を見て判断するというようなところでございます」(国土交通省航空局首都圏空港課)

 新国立競技場を含めた首都圏上空を飛行するのは南風時のパターンで、例えばコンサート開演時間に北風が吹けば、飛行経路は逆方向に変わるということ。もちろん、そうなると騒音は千葉県方面に行くのだから喜んではいけないが、ファンからすれば“神嵐”が吹くのを願うばかりか。

 ちなみに前出の高齢男性からはこんな話も。

「飛行機の音よりも、国立競技場のコンサートから聞こえてくる女性の声援のほうがよっぽどすごかったよ(苦笑)。声が高いから余計、大きく聞こえるし響くんだ。あぁ、そう。今年やるの? 嵐? ふふふふ」

 9万人の声援は、何デシベルになるのやら。