中居にとって「SMAP」の存在とは

「メンバーと別れた」SMAP解散の日を境に、仕事への意欲をなかなか取り戻せなかったことを退所会見で打ち明けていた中居。そもそも彼自身にとってのSMAPとは、一体どんな存在だったのだろうか。2012年のインタビューを読み返してみると、SMAPのメンバーとして生きる日々を、こんなひと言で表している。

《宿命》(『ザ テレビジョン』2011年9月16日)

 また2014年のインタビューでは、SMAPとしての活動について、こうも表現していた。

《SMAPは5人でいることが、最大の武器であり戦力であり、最大の自信になるんじゃないかな。5人でいればなんとかなるだろうと思えるし、どうなるか分からないものに対しても立ち向かうことができる》(『ザ テレビジョン』2014年12月12日)

 中居がSMAPのメンバーに選ばれたのは1988年、15歳のとき。それからの28年、普通の少年が国民的スターになっていく激動の年月を、彼は避けることも変えることもできない自身の「運命」と捉えることで理解し、受け入れていく。

 しかし、そのあまりにも過酷な「宿命」から、彼はなぜ逃げずに、30年近く立ち向かうことができていたのか。それはやはり「宿命」を同じように背負った5人の仲間が、互いの勇気の源として、いつも近くに存在していたからなのだろう。

 10代から40代になるまでの彼が、運命として向き合い続けたものの重さと、そんな彼にとって心の支えとなっていた、メンバーという存在の大きさ。それらを思えば、解散後にエネルギーを取り戻せないまま来てしまったことも、その先にあった今回の退所も、彼の中でひと繋ぎの意味をもっていることがよりはっきり見えてくる。

メンバーへの信頼と覚悟

 また退所会見では、ソロで活動しているSMAPメンバーの現在について、改めて中居が言及する場面もあったが、そこで印象的だったのはこの言葉だ。

「頑張ってると思うし、好きなことをやってると思うので、何の心配もしてない」

 何の心配もしてない。このひと言に込められた信頼感にとても似た内容を、やはり2011年、中居はSMAPのメンバーたちに向けて語っている。

《SMAPの未来を予測することは、ムズカシイです。ただ、SMAP全員、根性ありますからね。MCだって、僕が何となくやってますけど、誰がふられてもできるんですよ。全員が何をやらせても、ちゃんとできるところは、SMAPの強みなんじゃないですか》(『オリ★スタ』2011年5月9・16日)