介護を“離れて”楽しむ時間を。
自分自身の人生も大切に

 もうひとつ忘れてはいけないポイントは、第8、12条のように、「自分を大切にする」ということ。特に責任感の強い人は、がんばってしまいがちですからね。手抜きをして、ラクをしていいんです

 食事の配送サービスやデイサービスなどを利用して、自分の楽しみのための時間を意識して作ってください。介護を離れてみると、冷静にトラブルの解決策を考える余裕も生まれます。助けを求められる扉が、ひとつならず開かれていることにも気づけるでしょう。

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マンガ・文/青山ゆずこさん
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 杉山さんの言葉をそのまま実践してきたのが、青山ゆずこさんです。若干25歳にして、認知症の祖父母と一緒に暮らしながら7年間、2人のお世話をしてきました

 その話を聞くと、本来なら涙なくして語れない内容ですが、「自分が壊れちゃいけない!」と気づいてからは、いかに笑いに変えるか、いかに楽しめるかを考えながら、2人を観察するようになったそうです。

イベントで登壇する青山ゆずこさん

何もわからなくて、手探りの状態でした。なんの知識もなかったし。でも、“楽しんだもん勝ちだー!”って思うようになって、笑いに変えて。杉山先生などの専門家の人に出会ったのは、2人の介護を終了してからのことですが、“間違っていなかったんだな”って安心しました」

 そんな経験から、介護に携わっている人へのアドバイスを、前出のようにマンガにまとめてくださいました。

 繰り返しますが、杉山さんと青山さんが口をそろえておっしゃるのは、介護をする側はいい意味で気負いすぎず、何よりもまず「自分を大事に」してほしいということ。『上手な介護の12か条』と青山さんのマンガの内容をヒントに、心身を壊さない、自分らしい介護の仕方を見つけてもらえたら幸いです。

(隔月刊誌『NHKガッテン!』2020年3−4月号/総力29ページ巻頭特集『認知症が“怖くなくなる”予防と介護の新対策』より再構成)


・PROFILE・
杉山孝博さん
川崎幸クリニック院長。40年にわたり認知症の人やその家族に寄り添う。当事者サイドに立った認知症医療の第一人者。在宅医療支援も重視し、家族や医療関係者を対象にした講演会や講座も精力的に行う
杉山孝博さん
・PROFILE・
青山ゆずこさん
介護ジャーナリスト、ライター、マンガ家。認知症になった祖父母を同居して介護。その経験を生かして、認知症関係の講演や書籍の執筆なども行う。著書に『ばーちゃんがゴリラになっちゃった。』(徳間書店)など。Twitter @yuzubird
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