Q.自分の介護の相談をしたいときは?

A.健康面に不安を感じるようになってきたら、『地域包括支援センター』へ。介護保険法に基づく公的な相談窓口で、65歳以上の高齢者なら誰でも利用できます

 地域包括支援センターには保健師や社会福祉士、ケアマネジャーがいて、介護についてはもちろん、高齢者のさまざまな相談に乗ってもらえる。

 そして、介護保険を利用するための“要介護認定”の申し込みができるほか、自治体が提供している高齢者向けのサービスや介護予防プログラムなども案内してもらえる。全国に約4300か所以上あり、相談は無料なので、どんどん活用を!

Q.孤独死だけはしたくないんですが……?

A.親戚や友人が近くにいない。近所付き合いもしていない。もし倒れたら、何日も発見されないのでは……。そんなおひとりさまには、見守りサービス。

 定期的に安否確認の訪問をしてくれたり、緊急事態にボタン操作で駆けつけてくれる緊急通報システムもある。

「民間の警備会社でもやっているサービスですが、実は多くの自治体でも行っています。高齢おひとりさまを対象に、安否確認訪問や見守りを兼ねた弁当宅配などを実施しています。自分が利用できるサービスがあるか、市区町村役場や地域包括支援センターに問い合わせてみましょう」

Q.自宅で介護を受けられる?

A.介護保険制度では、住み慣れた自宅で過ごしたい人のためのサービスがたくさん用意されています。ただし、利用にはケアマネジャーによる“ケアプラン”の作成が必要です

 訪問介護は、ヘルパーが自宅を訪れ、手助けをしてくれる。買い物や料理、洗濯などの“生活援助”、自宅での入浴や排せつなどの“身体介護”がある。医療スタッフが来てくれるのが訪問看護。理学療法士や作業療法士が自宅に来てくれるのが訪問リハビリ。起き上がり、歩行などの基本動作や作業を通じたリハビリで、自分でできることを増やしていく。さらには訪問入浴介護、自宅に手すりを設置するなどの住宅改修も!

Q.年金だけで入れる施設はありますか?

A.スタッフが常駐する介護施設で暮らすほうが安心。そう考える人の心配事は、やっぱり費用……。

「収入は年金のみ。貯蓄もほとんどない。そんな人でも入所できるのは『特別養護老人ホーム(特養)』です。特養は、常に介護が必要で、自宅で過ごすことが困難な高齢者のための施設です自治体や社会福祉法人が運営する公的な施設なので、所得に応じて料金が軽減され、有料老人ホームよりも安く利用することができます」 ゆえに希望者が多く、要介護度が高い人でも入居待ちをしているのが実情だ。

特養の特徴
・介護保険を利用して入居でき、比較的低コスト
・利用できるのは原則として要介護3以上
・認知症にも対応
・個室、相部屋がある
・全国どこでも申し込めるが、地元民が優先されることが多い
・申し込みは直接施設へ