新型コロナウイルスの感染が急増する中、4月期ドラマは予定通りスタートする。各ドラマの撮影現場では、感染対策のためにエキストラをなしにしたり、屋外でのロケをスタジオ撮影に変更したりするなど、さまざまな対策がとられているという。

長谷川博己ほど紳士的な人を見たことがない

 NHK大河ドラマ麒麟がくる』の撮影現場でも、「感染防止のため、演出が変更されるシーンもある」というのはNHK関係者だ。

「沢尻エリカの降板騒動による撮り直しを何とか乗り越えたと思ったら、今度は新型コロナウイルスですからね、厳しい状況に変わりはありません。時代劇に欠かせない合戦シーンも、しばらく屋外での撮影はできませんし、演出上、細かい変更は数多く出てきているようですね」

 だが、主演の長谷川博己はどんな状況になっても慌てず、いつもと変わらない様子で周囲を気遣っているという。

「一部で長谷川さんがマスクや消毒液を現場に差し入れて共演者やスタッフを労ったと報じられましたが、とにかく、誰に対しても対応に差がないんです。ただでさえ心身の疲労はかなりのものなのに、そういう姿を見せないように、常にポジティブに振る舞い、ポーカーフェイスを貫いていますね」(テレビ誌ライター)

 長谷川の気配りについて、明智光秀の正室・煕子を演じる木村文乃はメディアの合同取材で次のように明かしたという。

「カメラの前に立つときも、その隙間にある笹のセットや機材を、長谷川さんがすべてよけてくれるそうです。また、長谷川さんの後ろでマイクのオン・オフの順番待ちをしていたら、先に木村さんのマイクをオンにしてから自分のマイクをつけるなど、とにかく些細なところにまで気を利かせてくれるジェントルマンだ、と話していました」(同)

 また、民放のテレビ局関係者も、舞台裏の長谷川をこう表現する。

「スタッフたちと食事に行っても、ドアを引いて女性が入るまで待っていてくれて、席に座るときも必ずレディーファースト。それが全然わざとらしくなくて、もう身についているんですね。長谷川さんほど紳士的な人を見たことがありません。あんな風に振舞われたら、世の女性はみんな“レディ”になります」

 4月5日放送の第12回『十兵衛の嫁』では、光秀が再会した熙子に「今日ここへ、皆とはぐれるべくして、はぐれてきたような気もします」と話しかけ、「この十兵衛の嫁になりませぬか」と、いよいよプロポーズする。

 ドラマでも光秀は帰蝶(川口春奈)、駒(門脇麦) 、熙子と3人の女性に思いを寄せられる存在だが、私生活では鈴木京香との愛を一途に育み続けている。そんなところも、紳士たる所以(ゆえん)なのだろう。

(取材・文/小窪 誠子)