商品を詰める台上でウイルスが付着!

 また紙袋は品質によって生存期間の差が大きいという。

水に濡れやすい普通の紙では3時間程度しか付着できませんが、紙幣のようにツルツルして水が染み込みにくい上質紙では4日間付着していたといいます。捨てるには惜しい高級な手提げ紙袋は、1度使ったら、4日間放置してウイルスの死滅を待ってまた使うといいでしょう」(寺嶋教授)

 すぐ破れる紙袋ではウイルスは短命で、丈夫な紙袋では長生きするから悩ましい。

 感染防止の観点からみると、バッグはどのように取り扱えばいいのだろうか。

 東北大学病院・感染管理室の徳田浩一室長は「店員さんに任せず、自分で商品をしまいましょう」と助言する。

他人の手が触れると感染リスクは上がります。お釣りもトレーでやりとりするようになりましたし、コロナを避けるためには“セルフ”を心がけたい」(徳田室長)

 注意すべきなのは持ち手の部分や、商品が直接触れる内側のほか、こんな盲点も……。

スーパーで会計をすませたあと商品を詰める台の上では、バッグを置いたときに底の部分が汚染されるかもしれません」(徳田室長)

 感染症専門医で東京・品川区の『KARADA内科クリニック』の佐藤昭裕院長は、

「自宅で保管しているレジ袋をバッグがわりに使ってもいい。日にちがたっているものであれば、ウイルスは死滅していますから」と付け加える。

 重いバッグを担いで帰宅したあとも気は抜けない。

「部屋までバッグを持ち込まず、玄関先で商品を取り出してはどうか。バッグをアルコール消毒するつもりならばふきやすいビニール製などを選ぶといいでしょうし、洗うつもりならば布製がいいのではないか」(前出・徳田室長)

 前出の寺嶋教授は具体的な洗浄方法を説明する。

使用するごとに洗うのがいちばんです。洗濯機にかけられる素材は洗濯用洗剤できれいにし、かけられない素材は石けんで手洗いする。洗えないときはアルコールを70%以上含んだ除菌ウエットティッシュでふき取りましょう