借金連続人生は“名字”が原因?

原田 壮絶な経験を乗り越えて、そう言えるのが本当にすごいですよ! 人によっては首を吊ってしまうこともあるじゃないですか。

貴闘力 いろんな人に迷惑をかけたから、胸を張って乗り越えたとは言えないなあ。でも、失敗だけは何度もしてるから、そのたびに学んで立ち上がるしかないです。

原田 たしかに失敗から学べないと、そのまま谷底に落ちてしまいますよね。

貴闘力 いま生業にしている焼き肉店も試行錯誤の連続。一時期は焼き肉店を17店舗経営してたんですよ。

原田 17店舗はすごいですね!

(左から)原田龍二、貴闘力
【写真】2020年、無観客となった大相撲春場所

貴闘力 でも、ひとりではすべての店を管理できないと感じて店舗数を減らしました。チェーン店のようにマニュアル化できれば広げられるけど、それができなければ、ひとりでは無理ですね。それで今は、店を広げたときの借金に苦しんでます(笑)。

 たぶん、俺の金借り人生は名字が原因だと思う。

原田 え? 名字ですか?

貴闘力 俺の名字は「鎌刈」と書くんだけど漢字を分解すると「金」へんを取っても、つくりの「兼」を取っても、訓読みをすると「カネカリ」になるんだよ。

原田 本当だ!

貴闘力 自己流の姓名判断だけど、なかなか信憑性があるでしょ。残念ながら、金を借りる天才なんですよ(笑)。

原田 いろんな意味で、お金との縁が深いんですね。

貴闘力 原田さんのお仕事も、コロナの影響がすごく出てますよね?

原田 仕事はだいぶキャンセルになりましたね。自宅で過ごす時間が増えたけど「自分は家族と家にいることができる」と、前向きに考えています。家賃が払えなくて追い出される人もいますからね……。今はネガティブな言葉を使わず、ポジティブに過ごすのがテーマになっています。

貴闘力 そうそう。マイナスなことばかり考えていてもおもしろくない。俺の若い衆時代じゃないけど、最悪な状況のなかから、小さな楽しみや幸せを見つけて生きていくしかないんだよな。

原田 過酷な経験をされてる貴闘力さんが言うと、言葉の重みが違いますね……!

【本日の、反省】貴闘力さんは厳しい世界を生き抜いてこられた人だから、自分のなかにゆるぎない“武器”があると感じました。聞いたかぎりでは相撲部屋の生活は相当な過酷さだったし、当時の経験が土台にあるからこそ、さまざまな失敗から学んで、苦境から立ち直ることができたのかもしれない。本当の強さを持っていて、なおかつ、その武器をひけらかさない不動の存在ですよね。僕も前向きに生きることを心がけているので、今日の対談はとても勉強になりました!

《取材・文/大貫未来(清談社)》


たかとうりき・ただしげ ◎1967年、兵庫県生まれ。元大相撲力士。2000年3月場所に史上初の幕尻優勝を達成し、2002年9月場所を最後に現役を引退。その後、年寄・16代大嶽を襲名し、大鵬部屋の親方となる。2010年に親方を退き、「焼肉本店ドラゴ」を開店。現在は、経営者として店を切り盛りしながら、引退した力士の再就職も支援するなど、幅広く活動している。ドラゴ横綱通り店/https://dorago-yakiniku.gorp.jp/

はらだ・りゅうじ ◎1970年、東京都生まれ。第3回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリを受賞後、トレンディードラマから時代劇などさまざまな作品に出演。芸能界きっての温泉通、座敷わらしなどのUMA探索好きとしても知られている。現在、期間限定でYouTubeチャンネル「原田龍二の湯〜チューブ!」を配信中!