長らく黒かった髪にハイライトを入れ、明るいベージュに。少し短くなったグラデーションボブが夏の風にふわりと揺れる。氷川きよしが今、感じている喜び、大切にしているもの、過ごし方、そしてこれからーー。 

いろいろな露出が
すごくありがたい

「最近うれしかったこと? やっぱり、アルバム『Papillon(パピヨン)‐ボヘミアン・ラプソディ‐』を出せたことですね」
 
 6月9日に発売した、氷川にとって初のポップスアルバム。ビジュアル系なジャケットで、すべてロックやバラードなどで構成。挑戦とこだわりが詰まった1枚はオリコン2位、ビルボード1位を獲得。

発売前は、“どうかな?”と 不安でドキドキする気持ちでしたが、発売を迎えたときは、やっぱり、すごくうれしかった。そして、いろいろなところに露出させていただけるようになって。すごくありがたいです」
 
 音楽番組だけでも、14年ぶりの『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)、『SONGS』(NHK総合)、夏恒例・約9時間半の生放送『音楽の日』(TBS系)など。今まで以上に活躍のフィールドを拡大させている。

「思いきりは大事だと思いましたね。演歌だけでなく、ポップス、ロックを歌うことで自分自身に広がりができましたし、その中からまた新しいものが生まれてくる。そういうことを繰り返しながら、自分の音楽を探していきたいなと思っています」

 最新シングル『母』。2月に出したA・B・Cタイプに加え、7月にはD・E・Fタイプを追加リリース。こちらも好調だ。

「(コロナの影響で)今は親の顔が見られないので、気になりますね。親も年をとってきてるし、離れて暮らしているから。福岡から仕事に通えればいいんだけど、さすがにちょっと遠いので。大阪くらいだったら頑張れば通えたかな……」
 
 母親には、毎日電話しているという。

「そんな大した話はしてないですよ。30秒くらい。ひと言交わすだけ。でも、それだけでもわかるんですよね。今日はノリがよくないとか、テンションが低いとか。やっぱり、コミュニケーションは大事。日々、電話はしていますけど、やっぱり会いたいですね。親に会うと、やっぱり心が安定しますもん。みなさんも、そうでしょ?」