秋の味覚のさつまいも。甘くてホクホク……だけと思ったら、いまスーパーには新タイプのさつまいもがいっぱい! いまどきのさつまいもを味わいつくすための“おいしいワザ”をご紹介します!

さつまいも、ホクホク&ねっとりの秘密

 さつまいもといえば、これまでは「ホクホク」とした食感の品種が主流でしたが、近年「ねっとり」とした食感の品種が続々と登場し、注目を浴びています。なかでも代表的なのが「べにはるか」。

 べにはるかは農業試験場でさつまいもの品種改良をしていた山川理さんらにより、世に送り出されました。

「子どもやお年寄りが飲み込みやすい、粘質系(ねっとりタイプ)のさつまいもを作りたい」と考え、長年の品種改良の末、開発することができた自信作。しかし最初は「ホクホクしてないと、さつまいもじゃない」と考えるさつまいもの生産者や関係者から受け入れてもらえませんでした。

 転機が訪れたのは12年前。スーパーマーケットに置かれている「焼きいもオーブン」で、ねっとり品種の焼きいもが販売されたところ、売り上げが急増。ねっとりして甘いべにはるかは、大きなインパクトがあり、「焼きいもはホクホク」という常識を覆したのです

 ねっとりタイプのさつまいもには、冷めてもおいしくて、冷凍できる、という特長も。

 最先端の科学とユニークな実験で日常の疑問を調査するNHKの番組『ガッテン!』が、ねっとり品種のひとつ「安納いも」の名産地である鹿児島県の種子島を訪れたところ、農家ではいもを焼いて冷凍した「冷凍さつまいも」が食べられていました。

 焼きいもを冷凍すると、口に広がるアイスのようなひんやり感とクリーミーな食感に大変身します。

 一方、ホクホク系のさつまいもにも注目すべき魅力が。「ベニアズマ」などのホクホク品種を愛用しているお店の人に話を聞きました。

 埼玉県川越市のさつまいも料理専門店では「ベニアズマ」と同じホクホク品種の「紅赤」を使った料理を提供しています。特に必ずホクホク系を使うというのが天ぷら。そのほうが「いもの香りがして、おいしく感じる」と言います。

 東京は浅草の老舗大学いも店では、ホクホクした「高系14号」をよく使うそう。というのも、ねっとり系の品種は油で揚げると形崩れを起こしてしまうから。ホクホク系のほうが歯ごたえを楽しめます。

 つまり、ホクホクした品種の特長は、いもらしい風味としっかりとした歯ごたえ。これを生かすには、天ぷらや大学いもなどがおすすめなのです。代表的な品種の特長を一覧にまとめましたので、料理や好みに応じて使い分けてみてはいかがでしょうか。

代表的なさつまいもの品種一覧

■紅赤……強いホクホク感。120年前から生産されている伝統品種で、栗のような風味。

紅赤、強いホクホク感
紅赤、強いホクホク感

■ベニアズマ……ホクホクした食感。熟成が進むため、時期によって別の食感に。特にホクホクを味わえるのは年内までで、熟成が進む年明けごろには甘みが増してしっとり感アップ。

■高系14号……ホクホク&しっとりめ。ベニアズマよりもしっとりしていて、天ぷらにも焼きいもにも合う万能型。種類が多く、地域によって名称が異なる(なると金時、宮崎紅、紅さつまなど)。

■HE306(シルクスイート)……なめらか&甘さスッキリ。絹のようななめらかな舌触りとさわやかな甘さが特長。焼きいもとしてよく販売される。

■べにまさり……しっとり甘い。熟成によって、さらにしっとり甘くなる。

■べにはるか……ねっとり&強い甘み。収穫してから熟成がどんどん進むため、春~夏にはさらにやわらかく、甘くなる。

べにはるか、ねっとり&強い甘み
べにはるか、ねっとり&強い甘み

■安納紅・安納こがね(安納いも)……ねっとり&強い甘み。中は鮮やかな黄色~だいだい色。焼きいもとしてよく販売される。

安納紅・安納こがね(安納いも)、ねっとり&強い甘み
安納紅・安納こがね(安納いも)、ねっとり&強い甘み

※時期や条件によって食感や甘みは変動します。写真提供◎農研機構、カネコ種苗株式会社、写真AC

“ねっとり”の秘密を解剖!

 さつまいもは加熱すると「ベータアミラーゼ」という酵素が発生。その酵素はでんぷんを糖に分解する働きがあり、焼きいもを甘くしてくれる。ねっとりタイプはその活性が高いのが特長。ホクホクタイプよりも多くのでんぷんを糖に分解するので、とても甘く仕上がる。

“ねっとり”の秘密を解剖! さつまいもは加熱すると「ベータアミラーゼ」という酵素が発生。その酵素はでんぷんを糖に分解する働きがあり、焼きいもを甘くしてくれる。ねっとりタイプはその活性が高いのが特長。ホクホクタイプよりも多くのでんぷんを糖に分解するので、とても甘く仕上がる。
“ねっとり”の秘密を解剖! さつまいもは加熱すると「ベータアミラーゼ」という酵素が発生。その酵素はでんぷんを糖に分解する働きがあり、焼きいもを甘くしてくれる。ねっとりタイプはその活性が高いのが特長。ホクホクタイプよりも多くのでんぷんを糖に分解するので、とても甘く仕上がる。

 糖には水分を逃がしにくい特性があるため、冷めても水分をしっかり保持。また、でんぷんは冷めると硬くなってしまうが、酵素の働きででんぷんの量が減っているため、冷めてもやわらかく、ねっとりおいしい。

“ねっとり”の秘密を解剖! 糖には水分を逃がしにくい特性があるため、冷めても水分をしっかり保持。また、でんぷんは冷めると硬くなってしまうが、酵素の働きででんぷんの量が減っているため、冷めてもやわらかく、ねっとりおいしい。
“ねっとり”の秘密を解剖! 糖には水分を逃がしにくい特性があるため、冷めても水分をしっかり保持。また、でんぷんは冷めると硬くなってしまうが、酵素の働きででんぷんの量が減っているため、冷めてもやわらかく、ねっとりおいしい。
■NHK『ガッテン!』今後の放送予定
総合テレビ毎週水曜午後7時30分~8時15分
総合テレビ翌週水曜午後3時08分~3時53分(再放送)

【10月28日放送】 今こそ再発見! 不思議食品 “魚肉ソーセージ”真のパワー活用術

 安価なのに栄養価が高い「魚肉ソーセージ」。実は、原料の魚のすり身にあるものを加えることが、柔らかいけどぷりっとした歯ごたえを生み出す秘密だった。そのあるものに注目してひと手間加えるとまるで別次元の味に変身しちゃいます!


【11月11日放送】心をつなぐ〇〇パワー!ビデオ通話の極意

 いま大流行のビデオ通話。対面で話すよりも盛り上がらないという悩みを持つ人も。実験でその謎に迫ると、私たちがコミュニケーションをするうえで大事な基本が見えてきた。ビデオ通話がより盛り上がるコツをご紹介!

※タイトルはすべて仮です。放送は変更になることがあります。