「本来は2017年7月の放送予定でしたが、主要キャストである小出のスキャンダルにより80パーセント以上を撮り直す事態に。玉山鉄二を代役に立てて、1年越しの公開となったのです。さんまさんは撮り直しに“ホンマ、アホみたいな話や”と苦笑いする一方で、スタッフに“ほんで、小出は大丈夫なんか?”と気にかけていたそうです」(ドラマスタッフ)

 この『Jimmy』の主題歌を歌ったのがMISIA。さんまを中心とした縁が、小出の復帰につながったようだ。

谷川社長は、小出君の前事務所社長に挨拶に出向き“預からせてください”と筋を通したと言います。もともと小出君は頭もいいし、礼儀正しい子。ところが、いつからかお酒に溺れるようになり、夜の街で知り合った連中がついて回るようになった。そんな環境が件のスキャンダルを作ったのでしょう。

 アメリカ留学では自分を見つめ直す期間になり、疎遠になっていたという小栗旬とも再会していますね。小栗は他の俳優仲間を集めて、小出君を“よくがんばった、おかえり”と涙を流しながら迎えたそうです。今は頭を下げて各所を周り、役者として一から出直す覚悟で臨んでいます」(前出・芸能プロ関係者)

“ハニートラップ”が疑われた

 では、小出は以前のように俳優として完全復活することができるのだろうか。芸能ジャーナリストの佐々木博之氏は「すぐに以前と同じ、というわけにはいかないでしょうが」と前置きしながらも、

「彼の場合、世間的にもいくらか同情されている部分もあると思います。というのも、当初は“女子高生”と称されていた未成年女性ですが、後にシングルマザーだったことが明らかになりました。そして彼を取り巻いていた背景も見え始めると“ハニートラップ”だったのではないか、という見方もされたのです。もちろん、小出さんが結果的に行為をしたことには変わりないのですが」

 小出の不適切行為が明るみに出た『フライデー』報道後、インターネット上では被害にあった女性の“素性”が暴かれていった。すると『週刊文春』で当の本人がインタビューに応じて「1人で考えて行動した」と“黒幕説”を否定し、一方で「小遣い稼ぎになると思った」「(小出から)200万円を受け取ることを約束した」などと金銭のやり取りの話があったことも明かしたのだ。

「7月には映画の撮影に参加したと聞きますから、スポンサーの意向が大きく反映されるテレビドラマへの出演は、復帰後の世間の反応を見てからになるでしょう。確かに当時、驕(おご)りがあったとは思いますが、そもそも評判は業界内でも悪くはないんですね。今回のことでしっかり反省をしているのなら、手を差し伸べる人は少なくはないと思います」(佐々木氏)

 谷川社長に小栗、そしてさんまも、そんな小出を助けたい1人だったのだろう。2021年には、わずかな出演時間ながらも映画『女たち』が公開され、同年10月には埼玉県内にできた新劇場のこけら落とし公演となる『群盗』での主演が決定している。同舞台のプロデュース・演出を手がけるのは小栗の兄・了だ。

「芸は身を助ける」というが、身を助けるのは「縁」なのかも。