ケンカ上等の悲喜こもごも

 ロケ現場で生まれる“出禁”もある。土屋アンナはドキュメンタリー『ココロとカラダ満つる時間』(NHKBSプレミアム)の収録で米国に滞在中、ディレクターともめて、パンチを浴びせてしまったと報じられた。このため、企画そのものが立ち消えとなり、数年にわたってNHKには出られない状態だったという。

 また、元AKB48の河西智美はロケ途中にやらかした。『いきなり!黄金伝説』(テレビ朝日系)の『節約バトル1ヶ月1万円生活』に挑戦したものの、スタートから5日後「自宅に荷物を取りに帰る」として、そのままリタイア。前代未聞の掟破りに待っていたのは、テレ朝からの出禁だった。

大人の事情という変えようのないところで“出禁”になったダウンタウン
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 本人のあずかり知らぬところで、その局との縁が切れていたのはダウンタウン。昨年『ワイドナショー』(フジテレビ系)で松本人志がこんな裏事情を明かした。

「テレビ朝日の偉い人と吉本の偉い人がもめたって。上層部がタンカを切ったんですよ。“ダウンタウン出せへんぞ”って。そうしたら向こうが“いらへんわ~”って」

 それゆえ現在、テレ朝にダウンタウンのレギュラー番組はない。ただ、浜田雅功がMCを担当する『芸能人格付けチェック』や松本が審査員のひとりである『M−1グランプリ』はテレ朝系で放送されているが……。どちらも制作は、大阪の朝日放送(ABC)なのだ。

 かと思えば、若手のころ、NHKから勝手に出禁にされていたのがサンドウィッチマン。その理由は「見た目のガラの悪さ」という理不尽なものだった。このせいで、若手芸人の登竜門だった『爆笑オンエアバトル』にも出られず、悔しい思いを味わうハメに。それがいまや好感度ナンバーワン芸人となり、NHKにも出まくっている。人は見た目だけで判断してはいけない、ということか。

 一方、明石家さんまの場合は売れてから出禁が増えていった。いや、出禁というより、売れてからなので“逆・出禁”に近い。

 まず、テレビ東京との関係がこじれたのは’80年代『さんまのサタデーナイトショー』が人気番組だったのに打ち切られたこと。経営に参加する日本経済新聞社が、局の看板番組がお色気系では困ると主張したのだという。

 テレビ朝日とは’90年代、ある番組で野村沙知代と衝突。局から謝罪するよう要請されたのが原因とされる。

 さらに、NHKとも相性がよくない。’80年代に『クイズ面白ゼミナール』であくびをして視聴者から苦情が寄せられたり、朝ドラの『澪つくし』で厳しい演出に嫌気がさしてスタッフとトラブったりと、持ち味の自由な芸風がNHKとは合わなかったようだ。

 どの局とも、まったく拒否というわけではないものの、不定期番組の司会やゲスト出演にとどまっている。

 ちなみに、舞妓の悪口を『笑っていいとも!』(フジテレビ系)でしゃべって、祇園から出禁を食らったことも。お笑い怪獣と異名をとる男は“出禁”怪獣でもあったわけだ。