会社の後輩と不倫した夫を家から追い出す

 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言下、夫の勤務先は電車ではなく車通勤を推奨していました。しかし、宣言が解除されても夫は車通勤を継続。これは女とドライブデートをするためだったのです。デート後にホテルで情事に及び、宿泊せず、日付が変わる前に帰宅。夫はパソコンにスマホのバックアップをとっていたのですが、寛子さんは密かに夫のパソコンにログインし、ホテルの宿泊予約の履歴を把握したのです。そこで興信所に尾行を依頼。場所は自粛中で誰もいない浜辺。波音をBGMに女の腰から尻に手を回したり、頬にキスをしたり、互いの頭をくっつけたりする姿を撮影した動画を入手。

 夫は「たまたま近くに簡単に身体の関係を持てそうな相手がいたんだ。彼女は僕に妻子がいることを知っているし、いつまでも続くとは思わず、軽い気持ちだった」と懺悔(ざんげ)。女は同じ部署の後輩(派遣社員)でした。

「あいつがいるとイライラするんです!」

 寛子さんは自分を裏切った夫とひとつ屋根の下で暮らすことでフラストレーションを溜め込んでいったのです。夫が娘さんの塾の保護者会をすっぽかしたので堪忍袋の緒が切れ、

「あんたがいると頭がおかしくなりそうなの!」

 と激怒し、夫を追い出してしまったのです。寛子さんが筆者のところへ最初に相談しに来たのは別居開始のタイミングでした。

離婚後も妻と長女は今のマンションに住み続けたい

 私たちはコロナ禍という混乱した非日常を送っている最中。寛子さんも物事をまともに判断するのは無理だろうと思いました。そこで筆者は「離婚という人生の一大事を今、決断するのは危険なのでは?」と諭しました。そして別居中の夫からは「考え直してほしい」と懇願するLINEが何度も届いていました。しかし、寛子さんの決意は固く……。

「コロナ禍でみんな大変な中、離婚するなんて短絡的だと言われることは重々、承知しています。それでも、あなたのためにこれ以上、努力するつもりはないから」

 と別れを切り出したのです。争点は離婚の可否から条件に移ったのですが、寛子さんがどうしても守りたかったのは自宅のマンションです。

離婚しても今のマンションに住み続けたいんですが、どうしたらいいでしょうか? 毎月13万円の返済は私には無理です」

 寛子さんは頭を悩ませますが、今回の場合、寛子さんは連帯債務者でも保証人でもありません。返済義務を負っているのは債務者である夫ひとりです。そこで筆者は「どんな理由があろうと金融機関は居住者である奥さんではなく、債務者である旦那さんに返済を求めますよ。そのことは奥さんの希望を叶える上で有利に働くでしょう」と勇気づけました。