ビッグ3全盛のころとは状況が大きく変わったのがビートたけし。2021年1月で74歳を迎える。

 2008年からリニューアルを経て12年間続いている『新・情報7DAYSニュースキャスター』(TBS系)を代表するように、たけしは今や芸人というよりもニュースを舌鋒鋭く切る“ご意見番”のほうが板についた感がある。しかし、ここ最近はというと……、

『オレたちひょうきん族』1980年代のお笑いブームを牽引したたけしとさんま
『オレたちひょうきん族』1980年代のお笑いブームを牽引したたけしとさんま
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最近のたけしさんは加齢なのか、太りすぎなのか、滑舌が悪くなって話が聞き取りにくくなり、時に“これはまずい”と言うような話もしたりと、周囲も冷や冷やしている。よって、視聴者からの反応も思わしくなく、またVTR中にウトウトする場面も見受けられると言います。

 それにニュース番組ではおもしろいことを話すわけでもなく、“たけしが出ているから”と視聴するファンも少なくなっている。芸人ではなく、文化人・北野武のイメージが強くなりすぎていることも一因でしょう」(テレビ局幹部)

 プライベートでは2020年2月に、かねてから不倫関係を囁かれていた18歳年下の女性Aさんと再婚したたけし。2015年に個人事務所を設立し、2018年には「オフィス北野(2020年1月に名称を「TAP」に変更)」を退社して独立。先導してきたのがAさんだったという。ワイドショースタッフはたけしの変化を明かす。

「たけしさんの財産や給料、資産運用、また体調面の管理をしていたのが、40年間連れ添った元妻の幹子さん。しかし、Aさんと出会ってからは幹子さんとは別居状態となり、ギャラも新しい個人事務所に振り込ませるようになったといいます。

 また、これまでオフィス北野に入っていた映画や著書の印税も、Aさんの手腕で権利を移したそう。すっかり彼女の言うことだけを聞くようになってしまい、“殿、それはダメです”と物申してきた“たけし軍団”とも距離を置くようになったとか」

このまま芸能界引退だな

 こうして“第2の人生”をスタートさせたたけしだが、まもなく新型コロナウイルス感染拡大が起きる。

「自宅からのリモート出演が多くなり、巣篭もり生活に相当参ったようで“鬱を通り越して、自棄になってきた。下手すると、このまま芸能界引退だな”とこぼしていたそう。

 また追い討ちをかけたのが志村けんさんの他界です。ドリフ加入前の志村さんを浅草時代から知っていて、“土曜8時”にしのぎを削り合った“戦友”同士だっただけにかなりショックをうけたのでは」(番組制作スタッフ)

 新型コロナウイルスの感染拡大により、テレビ業界も様変わりした2020年。特にたけしら大御所は、感染リスクを避けるためのリモート措置が各局でとられた。

高齢のタレントやコメンテーターのみなさんが、“リモートはいやだ、しゃべりにくい”と同じことを言うそうです。画面を見ながら話すことに抵抗を感じるようで、特に芸人であれば普通はスタジオ内のリアクションを観察し、空気を読みながら話をするので、それができないのでしゃべりにくく感じるのでしょう」(佐々木氏)

 そんな老いが見え隠れする御大だが、これぞ“芸人・たけし”と思わせる一幕もあった。12月23日放送の『ビートたけしの公開!お笑いオーディション』(TBS系)で、勢いのあるお笑いコンビ「マヂカルラブリー」がネタを披露すると、

《ああいうのが子どもとか、おばあさんとかが笑ってくれて勘違いしちゃうんだよ》

 と評し、彼らが2020年の「M-1」王者だと知らされると、

《これ優勝しちゃったの? じゃあ、文句言ったろう。漫才じゃないとか何とか》

 世間で起きている“漫才論争”にチクリ。やはり、今も芸人としての血が騒ぐのだ。