セルフ白髪染めの成功ポイント5

 時間とお金の節約には、市販の白髪染めでセルフカラーリング。目的に合った商品の選び方から、きれいに染めるコツ、アフターケアまで徹底解説します!

〈教えてくれたのは〉
鈴木大地さん ◎エブリカラーデイズ合同会社代表/毛髪診断士。美容師、ヘアケアメーカーでのインストラクター経験10年。「現場を知るプロの視点で情報を提供します」

川上直美さん ◎花王 商品PR/役員秘書、ヘアケアのマーケティング職を経て現職。「私自身、白髪のお手入れに日々いそしんでいます」

1泡タイプ?クリームタイプ?

 ヘアカラーにはどんな種類がある?

「市販品で一般的なのは、通称アルカリカラーと呼ばれる『酸化染毛剤』です」(鈴木さん)。これは、酸化染毛料を髪に浸透させ、脱色・染色を同時に行うというもの。「市販品もサロン品も、使える薬剤の成分や配合量の上限は同じです」(川上さん)

 初めての全体染めには、泡タイプがおすすめだそう。

「髪をブロッキングせずにシャンプーのようにもみ込むだけなので、初心者でも手軽に染められます。対してクリームタイプは、粘度が高く狙った部分がしっかり染まるので、部分染めに適しています。必要な量だけ使って、残りを取り置くこともできるので経済的です」(川上さん)

 広範囲なら泡、ピンポイントならクリーム。目的によって使い分けよう。

黒髪用のヘアカラーでも白髪は染まる?

「ヘアカラー剤は目的によって処方が異なります。黒髪用は、脱色力が強く染毛力が緩やかなので、白髪が多いと十分染めきれないことも。白髪をしっかり隠したい方は、染毛力の強い白髪染めを選ぶようにしましょう」(川上さん)

●染め残しをなくすには

 もみあげや生え際に染め残しがあるのは、白髪染め剤の塗布量不足が原因。

「全体に塗布した後、もう1度生え際に剤をのせて、しっかり染毛剤をとどめることで回避できます」(川上さん)

2】色選びは明るさが重要!

 現在の髪色±1番で色ムラ防止。白髪染めの色は店頭の毛束などを参考に、明るさ→色みの順に選ぶ。

「耳上あたりの髪色を目安に、±1番以内であれば極端な色ムラを防げます。黄みが強く傷んで見える髪色のときは、赤みのある色を選ぶときれいな発色に。ただし、髪色が鮮やかすぎると肌がくすんで見えるのでご注意を」(川上さん)

〈色番ごとのイメージ〉
【2番、3番】
明るく軽やかな印象の髪色。白髪の染まり具合は若干弱め。
【4番】地毛より明るいブラウン系。白髪は隠れる程度に染まる。
【5番、6番】地毛に近いブラック系カラー。白髪をしっかり染められる。

※色番は日本のメーカーのブランド。海外メーカーは異なります。資料提供/花王

【3】根元染めはたっぷり塗ってT字カバー

 分け目や生え際の“リタッチ”は、丁寧にしっかり塗るのがコツ。

「薬剤をのせたら、短い白髪が浮かないようにキッチンペーパーを張りつけて染め残しを防止します。頭皮がしみやすい人は、染める前日の洗髪を控えたり、オリーブオイルを頭皮に薄く塗ると刺激を抑えられますよ」(鈴木さん)

【4】頭皮が敏感な人はノンジアミンを選ぶ

 カラー剤がしみる原因には、アレルギーを伴わないかぶれの「刺激性接触皮膚炎」と、カラー剤に含まれる「ジアミン」による「アレルギー性接触皮膚炎」の2種類がある。

「心配な人には、ノンジアミンのカラー剤があります。酸化染毛剤よりカラーバリエーションが少ないものの、しっかり染まり比較的安心です」(鈴木さん)

5】髪色を長持ちさせるコツ

 ダメージを防ぐにはカラー処理剤を使う。

「カラー後の髪や頭皮には、シャンプーでは落としきれない薬剤が残り、カラーの退色や頭皮環境を悪化させる要因に。処理剤を使うことで、色持ちがよくなりますよ」(鈴木さん)

 全体染めの頻度が高いほど髪へのダメージは大きい。

「特に毛先にいくほど傷みやすくなります。傷んだ部分は染まりやすく色落ちしやすいので色ムラにも。全体染めは多くても1〜2か月に1回程度、部分染めと併用を」(川上さん)