「今はコロナの影響で囲み(取材)ができませんが、大抵は主催者側から“関係ない質問はご遠慮ください”と事前通達されることが多く、特に離婚や破局、交際が報じられた渦中の人が登場する際は徹底的にガードしますね。それでも何とかひと言を聞き出そうと、退場の際に“どうなんですか!?”と声がかけられるシーンをワイドショーや情報番組で見たことがあるのではないでしょうか」

 たしかに、イベント主旨と関係ない質問がされて、スタッフが鬼の形相で取材会を強制的に打ち切る場面をたまに目にする。2015年に離婚問題が取り沙汰された、米倉涼子の場合はさらに強烈だった。イベントに登場するたびに報道陣から質問が飛び交うも、毎回会場内のBGMが大音量になって声がかき消されるという異様な事態に。

「それでも何とか騒動に関する情報を引き出して、“大衆が少しでも興味を引く、読みたくなる記事を書かなくてはならない”のです。したがって前田さんに以前と変化はないかと探しあてたのが、夫婦の“象徴”である指輪をつけていなかった。“指輪なし”はタイトルにインパクトを残すいいネタになったわけです。

 同じくして、女性芸能人が結婚して半年、1年経つと普段着姿が写真誌などに撮られたりして“妊娠説”が飛び交いますが、これも似たような原理と言えますね」(佐々木氏)

常に“ネタ探し”に奔走する

 女性芸能人が、プライベートでヒールのないぺたんこ靴やスニーカー、さらには身体のラインが隠れるような服装や保温着を着ていれば、“すわ妊娠か”と推測されるのだとか。

「これがあながち当てずっぽうではなく、その時こそ所属事務所は認めないわけですが、後に本人から正式に報告されることがほとんど。芸能マスコミは常に話題になりそうな人物を何日、何週間、何か月もかけてマークし、細やかな部分に目を配って“何かネタはないか”と追いかけているのです。指輪に目が行くのもまさにサガなんですよ」(佐々木氏)

 一方で、そんな“渦中の人”をキャスティングする主催者側に思惑があることも。広告代理店関係者が内情を明かす。

「特におめでたい熱愛がらみが多いのですが、PRイベントでは何かと騒がれるタレントさんを見る機会が多いと思いませんか? 彼らをあえて起用することで報道陣がいつも以上に集まり、“炎上商法”ではないですが、結果としてテレビや紙面で使われる回数が多くなるのです。失礼ながら、前田さんが登場しなければドレッサー賞もこれほど脚光を浴びることはなかったのでは?」

 芸能マスコミに騒がれるうちはまだまだ“華”ということで。