そんな松居を船越がどう思っていたか、本当のところはわからない。離婚成立の翌月には『ごごナマ』に小柳ルミ子がゲスト出演。番組が用意した「どうしても許せない人がいる?」という質問に、

船越くんもいませんか。私、いますよ

 と切り返したため、船越はちょっと困惑していたものだ。

 おそらく、こういうとき、ネットニュースになるような面白いことが言えれば、番組ももっと盛り上がっていたのではないか。「悪くても感謝」でやりすごすのは処世術としては賢くても、テレビの数字にはつながらないのだ。

船越にぴったりな主戦場は……

『ごごナマ』の最終回では、ここでの出会いがこれからの財産になるとして、

「大切なみなさんの午後のひとときにお付き合いいただき、ただただ感謝」

 と、あいさつ。例によって「悪くても感謝」を貫いたが、ここまでくるとお気楽すぎる感じもしなくはない。あるいは、M(マゾ)的な気質なのだろうか。

 ちなみに、船越が『ごごナマ』を引き受けたのは、長年、主戦場としてきた2時間ドラマが衰退してきたからだともされる。

 実際、3月には主演連ドラ『山村美紗サスペンス 小説家探偵 鍋島仙太』が放送されたが、4話、BS日テレで1話30分という、地味な扱いだった。それでも、山村紅葉との昭和のコントみたいな掛け合いには、ここが本来の居場所というか、水を得た魚のような印象も受けた。 

 そう、この人には、昼下がりの生トークより、崖で犯人を追いつめる芝居のほうが似合う。芸能界も、大事なのは適材適所なのだ。

宝泉薫(ほうせん・かおる) アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。近著に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)