もちろん、早すぎる脚本の完成は時代性との乖離を生むおそれも。

「かつては『東京ラブストーリー』や『ロングバケーション』といったトレンディードラマを連発し、高視聴率が当たり前だった月9も、近年は低迷ぎみ。最近では、逆に流行を追わない“脱トレンディー”の流れが来ています」(芸能プロ関係者)

前倒し撮影に潜むリスク

沢村一樹らと共演。救急隊員に扮する北村匠海は、休憩中も真剣な表情を崩さなかった
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 自身のブランドであったトレンディーを捨てて、早撮りで月9再興を試みるフジだが、前出の木村さんは、前倒しの撮影には取り返しがつかないリスクがあることを指摘する。

「2019年11月に大河ドラマ『麒麟がくる』に出演予定だった沢尻エリカさんが薬物の使用で逮捕され、収録ずみのシーンに撮り直しが発生しました。昨年10月にも、道路交通法違反の疑いで伊藤健太郎さんが逮捕されましたし、メインキャストが不祥事を起こすと、大きなトラブルにつながります

 伊藤は今年1月に放送されたスペシャルドラマ『教場2』(フジテレビ系)に出演予定だったが、“爆弾スキャンダル”により出演シーンが差し替えられることに。

「公式発表前だったため代役とは明かされていませんが、ジャニーズWESTの重岡大毅さんが演じた役は、当初は伊藤さんで撮影が進められ、すでに撮り終わっていたんです。早撮りに舵を切ったフジテレビのドラマ班スタッフは、とにかく出演者たちが不祥事を起こさないことを願いながら撮影していますよ」(前出・芸能プロ関係者)

“早撮り戦略”は吉と出るのか。すべてはキャストのプロ意識の高さにかかっているのかもしれない……。