出川哲朗(57)に“災難”が降りかかった。バラエティー番組のドッキリ企画ではない。出川流に言えば、リアルガチの災難だ。

出川哲朗は大物芸能人なのか

 かつてセレブタレントとして活躍したマリエがSNSのライブ配信で「CM出てるのはマジで許せない。本当に許せない」と告発。彼女によれば、15年前、トップ芸人だった島田紳助(2011年に引退)から関係を迫られた際、同席していた出川がそれを止めなかったことが「許せない」のだという。

 ただし、出川サイドは「お騒がせしているような事実はない」と否定。また、酒らしきものを飲みながらの告発という彼女の発信方法にも、疑問の声が上がっている。

 何はともあれ、いまや冠番組を持つまでに成功した出川にとっては久々の逆風。だが、そもそも、彼が「嫌いな男」から「好きなタレント」になれたのはなぜなのか。「紅白」審査員まで務めるほどの“大物”になったころ、よく言われていたのはこんな解釈だ。

 長年やってきたリアクション芸が認められ、人を傷つけない笑いが時代にもマッチしたこと。そういう自虐的スタンスを貫ける人柄が愛されキャラにつながったこと─。

 とはいえ、芸や人柄云々よりも、彼を売れっ子にした「理由」がある。それは「面白がりたい」という世間のニーズに徹底的に応えてきたことだ。すなわち、出川とは「面白がられる」ことのプロなのである。

 これに対し、大半の芸人は「面白がらせる」ことのプロを目指す。そのほうがカッコいいからだが、彼はその才能がないことに気づき「面白がられる」ことを徹底してきた。なぜ徹底できたかといえば、とにかく売れたかったからだ。高校の卒業式の日、彼は同級生たちにこう宣言したという。

「俺に5年の時間をくれ! 頭出したる。俺に10年の時間をくれ! 有名になったる。俺に20年の時間をくれ! 頂点取ったる。まあ見とけや!」

 この野望を実現すべく、バカにされてもケガをしても、なりふり構わず頑張ってきたわけだ。