お金ドリル 資産運用編

・何もしなければ資産は減っていくという事実!

資産運用や投資という言葉を聞いただけで敬遠してしまう人も多いものです。でも投資は、やらないことのリスクのほうが高い。物価が上がるとお金の価値は下がるので、何もしなければ資産は減っていきます

 投資の初心者が、特に理解しておきたいのはiDeCoとつみたてNISAの2つだ。

 iDeCoは個人型確定拠出年金で、公的年金に上乗せをするもの(加入年齢は60歳未満)で、60歳以降に受け取れる。つみたてNISAは積立型少額投資非課税制度で、受け取りはいつでもできる。どちらも税制優遇があるのが特徴。

どちらの商品もインデックスファンドを選べば、手数料も安く、低リスク。初めての人にもおすすめ。時間がそのままお金につながります!

 人生100年時代。長く続けることで大きな利益が期待できるので、今からコツコツ始めておくと、将来の差は大きい。

【第9問】毎月2万円の積み立てを20年間行った場合、iDeCoとつみたてNISAではどちらが得?

(1)iDeCo
(2)つみたてNISA

(答え)目的に応じてうまく使い分けて

 正解は(1)。iDeCoは掛け金が全額所得控除になるのに対し、つみたてNISAはこの節税効果がなし。iDeCoは毎年約3万6000円(※11)、20年で約72万3000円(※12)の節税に。ただしiDeCoは60歳まで現金化できないが、つみたてNISAはいつでも現金化可能。目的によって使い分けよう。

(※11)40歳、年収500万円、配偶者と子ども2人(2歳と0歳)がいると想定
(※12)年収500万円が20年変わらないと想定。

【第10問】iDeCoで毎月1万円の積み立てをした場合と、5万円の積み立てをした場合、30年間の節税額はいくら違う?

(1)約120万円
(2)約240万円
(3)約380万円
(4)約480万円

(答え)30年後には大きな差になる

 毎月1万円の積み立てでは節税額は119万5035円(※13)、毎月5万円では597万6979円の節税になり、その差は478万1944円に。1万円と5万円で節税効果の割合に差はないものの、年間の所得控除額と運用益の金額が大きくなるため、節税額も大きくなる。正解は(4)。

(※13)受け取り時の税制優遇は割愛。積み立て開始時は30歳、年収500万円、配偶者と子ども2人(2歳と0歳)がいると想定。年収500万円が30年変わらないと想定(毎月5万円も同様)。本来差し引かれる税金20.315%は考慮せず(毎月5万円も同様)。

【第11問】40歳、年収500万円の人が60歳まで毎月2万円を積み立てた場合、20年後、iDeCoと預金での貯蓄額の差は?

(1)約18万3500円
(2)約36万3000円
(3)約54万4500円
(4)約72万6000円

(答え)iDeCoは節税効果が高い

 正解は(4)。iDeCoは非常に節税効果が高い商品。iDeCoの積み立て中は掛け金の全額が控除の対象となるため、所得税と住民税を合わせて、3万6000円(※14)の節税ができ、20年で72万6000円の差がつくことに。また、銀行の預金につく利息にかかる税金も、iDeCoなら非課税に。

(※14)年収500万円が20年間変わらないと想定。税額の計算は「給与所得控除」「社会保険料控除」「小規模企業共済控除」「配偶者控除」「扶養控除」「基礎控除」のみ考慮。

【第12問】2000万円の貯蓄をしたい場合、特定口座とNISA口座のどちらを使ったほうがいい?

(1)特定口座
(2)NISA口座

(答え)税制優遇で差がつく結果に

 特定口座とは証券会社に開設する口座のこと。NISA口座との違いは、利益に税金がかかるか、かからないか(※15)です。NISA口座は、利益に対して税金がかからないため、今回のケースではNISA口座だと用意する金額も少なく、目標金額に達するまでの時間が短くなる。正解は(2)

(※15)証券会社の口座には、一般口座と特定口座(証券会社が年間の損益を計算してくれる)、NISA口座(決まった金額での投資による利益が非課税になる)がある。年120万円(つみたてNISAは年40万円)の範囲内で購入した金融商品の利益に課税されない。NISA口座以外は利益の20.315%が税金として差し引かれる。

※写真はイメージです
※写真はイメージです