NHKエンタープライズの野島恵里プロデューサーに直撃!
『銭天堂』の舞台裏をQ&A

Q. アニメーションでのこだわりは?

(C)廣嶋玲子・jyajya/偕成社/銭天堂製作委員会
【写真】話し相手が現れて、寂しさを解消できる“おもてなしティー”

A. 銭天堂へ行ってみたいと思うような店内や、鮮やかな駄菓子の描写、物語の世界に入り込んだ気分になる“いざない感”を大切にしています。

Q. アニメ化のきっかけは?

A. 大人も子どももつい見入ってしまうような新しいアニメを作りたいと思っていました。東映アニメーションさんから企画書をいただき、銭天堂の原作を読むと、紅子さんのいでたちのインパクトやカラフルな駄菓子、先の読めない展開の物語とちょっと怖い世界観にワクワクしました。子どもたちの日常の彩りとなるアニメになればと思い提案しました。

Q. 放送後の反響は?

(C)廣嶋玲子・jyajya/偕成社/銭天堂製作委員会

A.  昨年放送した3話「ホーンテッドアイス」(アイスを食べると、家の中がお化け屋敷に変わる)から視聴率が上がり始めました。小学生が「銭天堂、見た?」「今日は(アニメの放送があるから)早く帰ろう」と話をしているのを聞き、うれしかったです。

 銭天堂はどこか本当にありそうな駄菓子屋で、ストーリーにはハッピーエンドもバッドエンドもあり印象的。ちょっと変わったアニメがやっているぞと思ってもらえたのかもしれません。

Q. オープニング曲、エンディング曲について教えてください。

A.  オープニングは和テイストで怪しく、でもどこか新しさも感じる曲。エンディングは物語のオチに関係なくすっきり元気になれる曲。いい毒っ気のある宇治茶さんの映像でも世界観を表現していただき、好評です。

Q. 物語の展開は原作どおり?

(C)廣嶋玲子・jyajya/偕成社/銭天堂製作委員会

A. オリジナルのシーンを盛り込むことはありますが、基本は原作どおりです。1話完結が基本ですが、見ごたえのありそうな回は、2話完結の前後編に。昨年放送した「ドクターラムネキット」は原作の読者が選んだ駄菓子ランキングで1位になった人気回でもあり、原作ファンにも楽しんでもらいたいと意識しました。読みごたえのある内容を番組尺の9分にどう昇華させるかの脚本作りには毎回苦労しています。

Q. 紅子の声優に池谷さんを起用した理由は?

A. 不思議だけど現実にいるかもしれないという存在感を表現できる人として、池谷さんが第一候補でした。かわいさや怖さ、さまざまな表情をする紅子さんの艶っぽさを出せる方。原作ファンのお子さんにも「思っていたとおりの声だった」と言ってもらえました。

Q. 新作の見どころは?

(C)廣嶋玲子・jyajya/偕成社/銭天堂製作委員会

A.  昨年放送した20話まででは銭天堂のしくみや紅子さんのバックボーンなどはわからないことがほとんどです。今年度の放送では、銭天堂の舞台裏でもある地下の工房で働く金色の招き猫たちもたくさん登場し、ほかにも対立するよどみとの因縁の訳も明らかになっていきます。

 全32話の放送を予定していますが、銭天堂の不思議さ、怪しさ、底知れない世界観にますます想像を巡らせて楽しんでほしいです。

 小銭ひとつで不幸にも幸運にもなる銭天堂の世界は、選択や分岐点の連続である人生と同じだと思います。閉塞感を感じやすい現代にあって、銭天堂を通して、子どもたちはもちろん、大人のみなさんにも明日も頑張ろうと少しでも前向きな気持ちになってもらえたらうれしいです。