ハーフタレントが増えた背景

 さらに、俳優として活躍する浜中文一の父親は中国人、ジャニーズJr.の人気ユニットAぇ!groupのメンバーで、『鉄腕DASH』にも出演する草間リチャード敬太の父親はアメリカ人、少年忍者には、イラン人の父親を持つヴァサイェガ渉がいる。

「かつてはヴァサイェガくんのお兄さん、ヴァサイェガ光くんもジャニーズJr.に所属していました。もう退所していますが、少年忍者にはロス出身のブランデンというハーフのメンバーもいました。ほかにも、黒人ハーフのジミー・マッキーやカミュ―・ケイド、Question?というバンド系グループで活躍した伊郷アクン、パキスタンハーフの増田良、さらにはアンダーソン・ケイシー、大久保ルイス、ウェスリー・マッシー、岡本カウアン、金鶴秀輝など、ある程度の人気があり活躍もしたハーフ系のJr.は意外にいます」(同)

 そして、ここ数年では「キャメロン」という謎多き少年の存在を覚えているジャニーズファンもいるのではないだろうか。前出のテレビ関係者は言う。

「年末年始の舞台にいきなり登場し、しかもドセンターで歌って踊り、ファンに大きな衝撃を与えました。映画『少年たち』にも、ラストの大事な場面で大活躍。しかも、ジャニーズJr.所属タレントとして正式に公表されることもなかったという謎の存在。“ジャニーさんのお友達”として紹介されたこともまた大きな衝撃でした。ジャニーさんの死後、現在に至るまでジャニーズ関連の舞台やコンサートに登場することはなく、結局、謎のままの不思議な存在です」

 ハーフ/クオーター系ジャニーズが、近年より目立つようになった背景にはどのようなものが考えられるだろうか。ある芸能ジャーナリストは言う。

「ひとつは単純にジャニーズの人気と知名度が上がったことですね。また、向井くんなどスカウトでの入所もありますが、日本国内で暮らすハーフやクオーターの子が増え、オーディションを受けやすくなったのではないでしょうか」

 さらに、世の中の多様性の広がりもある。ジャニー喜多川さんは昨年行われるはずだった、東京五輪に力を入れ、その開催を心待ちにしていたことはよく知られている。

「開催予定だった2020年に合わせ、フレッシュなJr.で構成予定だった大型ユニット『twenty twenty』構想というものがありました。海外からの五輪観戦客に向けた舞台も予定していたといいます。より国際色の強いジャニーズJr.を集めた結果、ハーフタレントたちは順調に育ち、ファンが増えていって現在の活躍に繋がっているのではないでしょうか」

 華麗に歌って踊れるK-POPアイドルの人気も高まり、海外出身のアイドルを応援する土壌ができた時代へと突入し、ジェシーラウールの活躍には伸び代を感じる人は多いという。

 ダイバーシティの時代、ジャニーズの未来はますます国際色豊かになっていくかもしれない。

〈取材・文/渋谷恭太郎〉