替えのきかない司会者2人

 一方で、司会者の替えがきかない長寿番組も少なくない。その筆頭株が『徹子の部屋』(テレビ朝日系)だ。説明するまでもないが、タレント・黒柳徹子の“部屋”にゲストが訪れるトーク番組。45年の長い歴史の中には、神回と称される徹子とゲストの名勝負(?)も数多く存在する。

「彼女の司会は“しゃべり芸”と言ってもいいほど特徴的。一方で、画面上にはゲストと徹子さんしかいないし、徹子さんの衣装を確認したあとは、テレビを真剣に見なくても聞き慣れた徹子トークが楽しめる。

 視聴者を楽しませる秀でた話芸と、安心感がある『徹子の部屋』は、長寿になるべくしてなった番組かもしれません。番組名にMCの名前が入っているので、徹子さんがお元気なうちは続くはずです」(野呂さん)

 “タモさん”こと森田一義も、長寿番組との相性がいい。最長で38年間放送しているのが、毎度おなじみ流浪の番組『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)だ。

『笑っていいとも!』は2014年に「同一司会者による生放送バラエティー番組の最多エピソード数」と「同一チャンネルによる生放送バラエティー番組の最多エピソード数」でギネス認定された
『笑っていいとも!』は2014年に「同一司会者による生放送バラエティー番組の最多エピソード数」と「同一チャンネルによる生放送バラエティー番組の最多エピソード数」でギネス認定された
【写真】自慢の“玉ねぎ頭”を脱いだすっぴんの黒柳徹子

タモリさんの場合も、徹子さんと同じく名人芸を魅せてくれる司会者です。彼が持つ幅広い知識とユーモアで、その日のテーマをどう料理するかが見どころですよね」(野呂さん)

 だが、そんなタモさんがお昼の顔として32年間司会を務めていた『笑っていいとも!』(フジテレビ系)は2014年に幕を閉じた。その終焉については「番組のコストが影響しているのでは、という話も聞いたことがあります」と野呂さん。

「近年の傾向ですが『いいとも』のように、出演者が多かったり、大御所に見合ったギャラを支払い続けると予算がかさむため番組はやめざるをえない。特に司会者の名前が大きすぎると、番組そのものを終わらせるしかないんですよ」(野呂さん)

 テレビ業界の現状がうかがえる、なかなかシビアな話だ。さらに野呂さんは「今後、メインの司会者を据える長寿番組は生まれにくくなる」と予想する。

「徹子さんやタモリさん、ビートたけしさんやダウンタウン……今、司会者の名前を冠した25年超えの番組は、テレビ創世記からバブル期に始まっています。司会をする彼らも20代後半から30代前半にブレイクした人々です。しかし現代は、前の世代が詰まっているので、タレントやお笑い芸人たちのブレイクも40代になりつつある。そうなると、これから30年、40年も番組を続けるには体力的に難しいでしょうね」