両親の介護を契機に脱毛する人も

 40代以降のVIO脱毛の希望者には、家族の介護経験者が多いと大野先生は話す。「不潔にすれば尿道炎をおこしたりすることを身をもって感じた」といったきっかけで実際に始める人、もしくは検討する人もいるそう。

 家族の介護を経験し、今も介護福祉士として働く、人気ブロガー「ヘルパーおかん」さんも、そのひとりだ。

「高齢になると自分で便を拭きとれず、きれいにできない方や、認知症などでおむつに手を入れて便をいじってしまう方もいます。実際、毛があるとないとでは、世話の手間が全然違うことがありますね。私自身、この先、脱毛することを考えています」

 都内在住のS・Kさん(52歳)は、49歳のときに半身不随の母の介護をしたことが、きっかけになったと言う。

「おむつを交換する際、毛についた排泄物がなかなかとれないことが何度かあったんです。何度も拭くと母が不快なのではと感じていたし、自分自身もケアしておきたかった。アンダーヘアに2~3本白髪が交じっていたので、早めにしたいと思っていたのですが、いろいろ調べ、かかりつけの皮膚科に相談し、51歳のときに始めました」

 施術者が顔見知りだったので、最初は恥ずかしかったが、2回目以降は少しずつ慣れてきたそう。

「Vは残すつもりでしたが、1回やってみたらあまりに快適だったので、ハイジニーナに変更。衛生的ですし、ムレやニオイも気にならなくなりました」

介護脱毛が増えたのは
料金が下がったという要因も

「レーザー脱毛機が日本に初めて入ってきた27年前は、1回の照射で10万円以上しました。現在、当院でもVIO脱毛は、1回で合計6万円ほど。コースになれば価格は下がります」(大野先生)

 機械の精度も格段に上がっているので施術回数も減っている。個人差はあるものの、前出のS・Kさんの場合、3回施術のコースで8万円ほど、3か月に1回ずつ通って完了したそう。ただ、安くなったとはいえ、数万円単位の出費になる。

「これから老後を見据えたとき、気持ちがラクになる選択肢のひとつとして考えてみては。ただ、基礎疾患がある方、内出血をしやすい方、もともと痛みに弱い方にはおすすめしません」(大野先生)