高校中退で堕落した生活

 翌日から、晴れて「好きなだけ寝ていられる」生活になった。両親は仕事、兄は大学へ行くため昼間は誰もいない。

「私の部屋はオレンジ色のカーテンだったので、光が入ると部屋のなかがきれいな色に染まるんです。それがまた切なかった。

 制服を捨てて、最初のうちはめちゃくちゃ濃いメイクをして渋谷を歩いたりしたけど、ちっとも楽しくない。何の制約もなく自由に生きている生活は1か月で飽きました。だんだん寝る時間と起きる時間がずれていって、夕方5時に起きて、ファミレスとかコンビニとか墓地とかで仲間と会って遊んで、朝5時に帰るみたいな生活をしていたこともありましたね。漠然と、『堕ちるところまで堕ちるんだろうな』とも思っていました」

 アルバイトをしても長続きせず、無為な日々を送るうち、「勉強したい」という思いにかられていった。

「親孝行しなきゃ、ここから抜け出さなきゃ、と焦っているのに、どうすればいいかわからない。

 家事を手伝ってみても、褒められないから逆ギレしたり……。

 教科書を開いてみたけど何が書いてあるかわからなくて、『寿限無』の暗記をしたり、寿司店の湯呑みに書いてある魚へんの漢字を覚えたりしていましたね(苦笑)」

 退学から半年後、通信制高校に編入した。“高校卒業”という肩書が社会では必要になることが多いと気づいたからだ。

高校中退後、ほぼひきこもり生活を送っていた時期を乗り越え、通信制高校に通い始めたころ
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 晴れて高卒の資格を取得後、イベントコンパニオンのアルバイトをしながら、「モデルか女優になりたい」という夢を抱くようになる。高校時代から求めていた、自分を表現する世界を見つけたのだ。

 モデル事務所に片っ端から履歴書を送った。だが、呼ばれて行ってみると、「売り込むためにはお金が必要だ」と言われる。そうやって数か所で100万円近くを騙し取られた。

モデル事務所に送っていた履歴書の写真

 その当時、大学生だった兄は、「自分の生活に忙しくてあまり妹のことを顧みていなかった」と言いながらも、実は深く心配していたようだ。

「コイツは何をどう間違えてこうなってしまったのかと腹立たしかったり、どうなるんだろうと心配したり。フリーターと言うと怒るんですよ。『フリーティと呼んで』とわけわかんないことを言ってましたね(笑)。ただ、しょうもない自己啓発本だけはたくさん読んでいたみたい。当時、両親は『いつになったらちゃんと働くんだ』程度のことは言っていましたが、キツくは言えなかったみたいですね。昔から病弱というのがあるので、そのあたりは親も甘かった。彼女がモデルをしているところを見に行ったこともありますが、結局、ノーギャラだったみたいだし。そのころはイケてる妹とダメな兄が逆転していましたね。僕は大学を出て、地道に就活もして就職しましたから(笑)」