勝新太郎の妻でよかった

原田 授業参観や運動会に勝さんと玉緒さんがいるってことですか! すごい状況。

中村 はい。私も家では“妻”になりたかったので、自宅に私のお弟子さんは入れませんでした。でもね、主人は毎晩のように誰か連れて帰ってくるんですよ。電話で「パパ、今日はひとりで帰ってくるんですか?」と確認すると「ああ、ひとりだよ」って答えるんですけど、ひとりだったためしがない。あるときは10人の舞妓さんを連れてきました……。

原田 すごい! それで玉緒さんはどうしたんですか?

中村 怒って追い返しましたよ! たとえ電話で舞妓さんが10人いるって言われても入れません。私はヤキモチ焼きなので(笑)。

原田 10人も連れて一体どこに行ったんでしょうね(笑)。

原田龍二と中村玉緒 撮影/伊藤和幸
【写真】中村玉緒の極上マッサージを受ける原田龍二

中村 どうしたんでしょうね。それに、私が怒っても伝わらないんですよ。私は主人のマッサージをする係でベッドの上で寝ているパパの背中をもんでいたんですね。あるとき、いつまでも終わらせてくれないから腹が立って、足で思いっきり踏みつけていたら「今日はうまいね〜」なんて言われました。

原田 あはは! イライラするほどマッサージが上達していったんですね。

中村 だから私、マッサージがうまいんですよ。(立ち上がり、原田の背中をもむ)

原田(もまれながら)本当だ! すべての指がツボに入ってます! 

中村 そうなの。上手でしょう? そんな塩梅なので、私生活の主人は憎めない人でしたね。この前タクシーに乗ったら運転手さんに「お代はいりません。昔、運賃2000円のところを勝さんから1万円いただいたので、玉緒さんは結構です」って言われたんです。

 タクシーでは多めに払って、他人の借金も背負う、そんな人だから14億円も借金したんでしょうね。そしてその借金をぜーんぶ返したのは私(笑)。

原田 すごいですね。普通の人は14億も借金できないと思うので、ある意味ではそれだけのパワーを持つ人でもあったと思います。

中村 そうですね。でも、当時は本当にお金がなくてね。子どもに欲しがるものを買ってやれないから買い物に行けない。それだけじゃなくて、大変なことがたーくさんありましたけど、私は「勝新太郎の妻でよかった」と思ってるんですよ。