荷物検査場にはアルコールの空き缶も

 コロナ禍での開催ということもあり、フジロックの公式YouTubeでは現地の様子がライブ配信された。会場外からも“参戦”できるようになったことで、なかにはSNS上で「前列の観客が密すぎる」といった指摘をする者も少なくなかった。ここ数年、同イベントに参加しているという30代男性は当日について以下のように話す。

「客の声出しを促して場を盛り上げるのもアーティストのパフォーマンスのひとつですが、今年はそういった“煽り”はナシ。盛り上がって声をあげる観客もいませんでしたよ。マナーが良かったといった印象ですね。前列付近には客の立ち位置を示した“バミリ”のようなものがあり、一定の距離は保たれていたと思います」(同前)

 会場を行き来する客の状況はというと、

ペットボトルなどにお酒を入れて持ち込んでいる場合はさすがにわかりませんが、“明らかに酔って騒いでいる”といった他のお客さんもいませんでしたよ。ただ、ごくわずかですが、荷物検査場では空になったアルコール類の缶を何本か見かけました

 運営側の対策と客のマナーが合わさってようやく安全なフェスといえるわけだが、すべての客がそれを完璧に守っていたかについては懐疑的にならざるをえない。なにせ、ライブ初日に12,636人、二日目に13,513人、最終日には9,300人が来場しているのだから。

 前述の『感染者なし』コメントに関するニュースが報じられた前日、ツイッター上ではとあるユーザーのツイートが密かに話題になっていた。