男性たちにもっと女性の声を聞いてほしい

 こんな事件がいつ起こるのか、女性の立場で考えれば外出にも恐怖を覚える。

「女性を狙わせない空気をつくる必要があります。そのためにも男性たちには自分たちの中にある女性嫌悪の感情と向き合ってほしい」

2019年に神奈川・登戸で起きた私立カリタス小学校のスクールバスが狙われ、女児ら2人が死亡、18人が負傷した事件もフェミサイドだったとみられる。事件を起こした男はその場で自死
【写真】自称・ナンパ師の対馬容疑者、ニヤケ顔でイタリア美女と記念写真

 前出の佐々木さんは述べる。

「性犯罪も同様だと思います。女性を性のはけ口としか見ていない。それは他者を理解する、共感するという気持ちが圧倒的に少ないということ。性犯罪だけでなく、無差別犯罪者にはその傾向が強い」

 対馬容疑者は自分の中にある女性差別の感情と向き合い、更生できるのだろうか。

「殺人未遂で起訴されると思いますが、実刑になっても無期懲役にはなりません。そのまま出てくれば同じことを繰り返すと思います。自分の中で事件は正当だと思っているんです。これが歪んでいるところ」(佐々木さん)

 だが、女性を攻撃するのは男性だけではないと前出の北原さんは指摘する。

「女性でも女性を嫌悪し攻撃する人がいます。男性社会の中で抑圧されて、叩かれるなら男性に従い、従わないほかの女性を攻撃。そんな女性同士が対立するような構造がつくり出されてきた。この傾向は依然として残っています」

 今の社会は女性にとって生きづらいのだ。

「事件をフェミサイドとして認定し、再び起こさないためにも社会で共有しないとまた同じことは起きるでしょう。女性たちは声を上げなければならない。女性を狙った犯罪をなかったことにしないでほしい。男性たちにもっと女性の声を聞いてほしいです」(北原さん)

 女性に向けられる憎しみの芽。それを潰すために一歩を踏み出す努力がこの社会には求められている。