ミュージシャンとしての評判が演技の道へ

 当初、彼を俳優として起用した監督やプロデューサーには、独自の世界観を持つ、ミュージシャン・岡崎体育に関心を持ったというケースが多い

 岡崎は、自ら作詞・作曲・編曲をこなすシンガーソングライターで、独特な着眼点や発想から生まれた楽曲が話題を集めてきた。

 例えば、2017年発表の『MUSIC VIDEO』という楽曲では、《カメラ目線で歩きながら歌う》《2分割で男女を歩かせて 最終的に出会わせる》など、ミュージックビデオにまつわる“あるあるネタ”について歌ったもの。

 同曲のミュージックビデオでは、その歌詞を映像化して大きな評判となり、YouTubeの再生回数は2020年2月10日現在で4500万回を超えている。

『まんぷく』では、カリフォルニア生まれながら大阪なまりの日本語を話す日系人、チャーリー・タナカ役を演じたが、岡崎は『anan』(マガジンハウス)での連載にて、「勘違いで起用された」と明かしている。

《僕の楽曲には『Natural Lips』という英語風の曲があったりするので、普段から僕は英語のええ発音を心がけています。それがなにをどう間違って伝わったのか、岡崎体育は英語できるやつ、いわゆる“英ぺキャラ”として選ばれてしまったんです》(anan NEWSにて2018年11月25日掲載の「朝ドラ出演決定はスタッフの“勘違い”から? 岡崎体育がぶっちゃける」より)

『麻雀放浪記2020』の監督である白石和彌氏も、映画公開時に次のようなコメントを寄せている。

岡崎体育さんの独自の世界観が好きでお願いしたのですが大正解でした。これからお芝居の仕事が増えるんだろうなと思います》

狂気あふれる犯人役まで振り幅の広さを発揮

 2019年までの出演作品は、ややコミカルさをまとう彼のキャラクターを生かした役が多いように見える。

 自身も、『麻雀放浪記2020』での演技について、「自分でも演じている感じがしなかったというか、普段どおりのを出してたらそれがいい感じにハマりました」と語っている。

 だが、2020年に入ると演技の幅が格段に広がる。1月放送のドラマ『僕はどこから』(テレビ東京系)で無邪気かつ残酷なヤクザの舎弟役、7月放送のドラマ『機動捜査隊 MIU404』(TBS系)では女子高生を監禁しようとする強制わいせつ犯役を演じ、それぞれ「狂気を感じさせる怪演」と視聴者から高い評価を集めたのだ。