2月15日、公式練習に参加した羽生結弦。途中『オペラ座の怪人』の音楽をかける場面も(JMPA代表撮影・2022年北京五輪)
2月15日、公式練習に参加した羽生結弦。途中『オペラ座の怪人』の音楽をかける場面も(JMPA代表撮影・2022年北京五輪)
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皆が一つになることの素晴らしさ

 さらに、羽生なりの哲学もある。

「羽生選手は験担ぎや神社巡りが好きな信心深いところがあります。それもあってか、“人にしたことは自分に返ってくる”という考えを強く持っています。なので、人のためになる行動をしようと意識もしていますし、自然とそれができるのです」(スケート連盟関係者)

 ファンからの応援について聞かれた羽生は、次のように感謝を表した。

何かをきっかけにしてみんながひとつになることが、どれだけ素晴らしいことなのかを、東日本大震災から学んだ気がしていて。

 もちろんつらい犠牲の中でのことですけれども、僕の演技が、みなさんの心が少しでもひとつになるきっかけになっていたら、やっぱり僕は幸せ者だなと思います。

 東日本大震災とか災害ではなくて、もっと何か健康的に、何かを犠牲にすることのない幸せな方向の(ひとつになれる)きっかけだったらとてもうれしいなと思って」

 “何かを犠牲にすることのない”と羽生は口にしたが、その足はケガが治らないまま。それでも、羽生は献身的に世界がひとつになることを願う─。

佐々木政幸 慶應義塾大学医学部の整形外科学教室に入局し、大学病院や関連病院を中心に診療後、久我山整形外科ペインクリニックを開業