山下八洲夫容疑者の自宅。樹木に覆われた家屋は路上から見えない
山下八洲夫容疑者の自宅。樹木に覆われた家屋は路上から見えない
【写真】高台に建ち、まるで武家屋敷。まったくセコくない山下容疑者の自宅

不正総額は1030万円の試算も

 一方、無賃乗車については自宅最寄りの美乃坂本駅で乗車して多治見駅で特急指定席に乗り換え、名古屋から新幹線のぞみ号のグリーン車で東京まで往復すると料金は3万6540円。月2回、落選後から11年9か月続けたとすると1030万4280円になる。あくまで試算ではあるが、常習だった場合、とんでもない金額をせしめていた可能性も出てくる。

 無料パスやグリーン券の費用は国で払っているため私たちの税金が原資だ。

山下八洲夫容疑者がかつて事務所を構えていたJR中津川駅前
山下八洲夫容疑者がかつて事務所を構えていたJR中津川駅前

「JRパス、航空チケット、陸空併用の3コースから議員は選び、毎年度末に更新する流れ。年度途中で辞職したり、落選した場合は返却を求めています。参院議員だけで年間1億8000万円の予算を計上しています」(参院事務局)

 3歳下の妻とふたり暮らし。自宅を訪ねると、インタホンに出た夫人が、

「事件のことはよくわからないんです。私も体調を崩しているものですから。(無賃乗車は)知りませんでした。接見した弁護士には、“有権者にも、関係者や家族にも、ただただ申し訳ありません”と話しているそうです」

 政治腐敗を憎み、時の首相に辞任を迫るなど舌鋒鋭かった山下容疑者。最近ハマっていた“昼間から自宅で缶ビール”は当分お預けになる。