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ー 選手のビブスを持ち帰ってくる姿
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ー 事件起きれば“訪日控え”が起きる

 7月18日、東京・秩父宮ラグビー場で公開練習を行った、来日中のサッカー・フランスリーグの強豪『パリ・サンジェルマン(以下、パリSG)』。Jリーグチームとの親善試合を控えての練習だったが、あわやのハプニングが起きていたようだ。

「パリSGといえば、リオネル・メッシやネイマール、キリアン・エムバペやセルヒオ・ラモスらが顔を揃える、選手の年俸総額500億円とも言われるスター集団です。今回の日本ツアーはいわば“営業”で、練習ながらも入場料は大人4500円、小中高生は2000円と有料。それでも彼らを一目みたい、サッカーファンやサポーターが押し寄せたのです」(スポーツ紙・サッカー担当記者)

 ただの練習にも関わらず、いや、スター軍団の練習風景はファンにとっては“ただの”ではなかった。会場に来場した観客は1万3370人と、およそ70分間で数千万円の大金が動く大イベントとなったのだ。

 目の前で躍動するメッシやネイマールたちに、場内のボルテージは終始上がりっぱなし。そして全体練習を終えた選手たちが、ロッカーに引き上げようとするとーー、

「あろうことか、東スタンド(バックスタンド)側にいた一部のサポーターたちが、観客席を乗り越えてピッチ内に乱入。観客席を見張っていた警備員の横をすり抜けて、選手たちに向かって突撃する事態が起きてしまったのです。

 すんでのところで、選手団の周囲にいた警備員やスタッフに取り押さえられ、乱入者の接触こそ防がれたわけですが、あわや“惨事”が起きてもおかしくはない状況でした」(前出・サッカー担当記者)

 この騒動で数人が“御用”となったわけだが、中には追っ手を掻い潜って観客席に逃れた者もいたようだ。この出来事に、和やかなだった場内の雰囲気は一変し、選手らの退場が足速に促されたようだ。

選手のビブスを持ち帰ってくる姿

 ネット上には、現地に居合わせたファンが撮ったと思われる、バックスタンド側からの一部始終を収めた動画もツイッターに投稿され、瞬く間に拡散されて“バズっている”。

 映っていたのは、棒立ちの警備員を嘲笑うかのように、場内に降りて走り出す若者と、中には子どもと思しき数名。するとピッチから何やら拾い上げて走って戻ってきたファンと、彼を追うも全く追いつけない警備員の姿も。誇らしげに持ち帰ったのは、選手が練習で使用したオレンジ色のビブスのようにも見える。

 また、目的を達成できなかったのだろう。選手と記念撮影をしようと思ったのか、スマホを片手にトボトボと歩いて戻ってくる子どもに、席に戻るように促す警備員。さらに動画内には、保護者だろうか、「あの子頑張ってるよ」「来た来た来た!」と子どもを煽るような、周囲の大人たちの笑い声も収められていた。

「乱入者の大方の目的は、スター選手の“写真を撮りたい、サインが欲しい、使用グッズが欲しい”といったおねだり行為でしょうが、それでも選手と無理矢理に接触すれば怪我を負わせる可能性もあり、それこそファンやサポーターを装った暴漢が紛れこむ可能性も考えらるわけで。

 もちろん、責められるべきは非常識な行動をとった乱入者ですが、1万人以上を相手に酷は話かもしれませんが、あまりにも簡単にピッチへの侵入を許した警備体制にも課題が残ると言わざるを得ない。入場時の手荷物検査も特段厳しかった、というわけでもなさそうでしたからね」(前出・サッカー担当記者)