追い詰められての“離婚決断”に

 しかし、その後発表された雑誌のインタビューで、「紙切れ1枚のことだけど、それをしないとやっぱり自分は次に進めない」とryuchellが思い詰めていたことが明らかに。離婚は彼の強い意志だったことがわかった。

「このインタビューの内容から、ryuchellさんが心を整理する方法はやはり離婚しかなかったのだと改めて理解できました。

 結婚するときに“墓場まで”と無理な決断を自分に強いてしまったからこそ、苦しさが限界まで募り、離婚という決断を下さざるをえなかったのかもしれませんね」

 近年はLGBTQへの理解が深まりつつあるにもかかわらず、ネット上ではryuchellを非難する声が多い。

「妻の立場として、つい自分に置き換えて考えてしまう女性が多いのではないでしょうか。ryuchellさんが結婚前からセクシュアリティーに気づいていたのならなおさら“なんで結婚したの?”と理解が難しく、割り切れない気持ちになるのでしょう。

 とはいえ、ふたりが納得いくまで話し合って出した結論は重んじるべき。いろいろな考え方があるのはよいことですが、直接的な批判は、新しい道を進もうとしているryuchellさん一家を傷つけてしまいかねません」

 これまでも、ryuchellは自身の“個性”について語ってきた。幼いころから、バービー人形やキラキラしたものが好きだったせいで、小中学生のころはからかわれ、つらい思いをしたこともあるという。高祖さんのもとにも「息子が自分のことを“私”と呼びたがって困っている」といった相談が寄せられることもあるそうだ。

「子どもの場合、セクシュアリティーの問題ではなく、ただ単にお友達のまねをしているだけのケースもあります。どちらにしても、そうした子どもの発言を無理にただしたり、否定したりすべきではありません」

 親が“男らしく”“女らしく”と、子どもに対して無意識に自分の価値観を押しつけている場合もある。

「男の子が“私”と言ってはいけない、女の子が“僕”と言ってはいけない理由はなんでしょう。親である自分が恥ずかしいなど、親の都合が理由になっていないか、考えてみる必要があります」