【目薬】最悪、失明することも!

 花粉症のシーズンが来るたびに耳鼻科や皮膚科で目を処方してもらう人はご注意を。

「定期的に眼科でチェックを受けていないと、いつの間にか緑内障になっているかもしれません」と眼科医の平松先生が警告する。

気づいたら緑内障になっていた女性

 花粉症の目には抗アレルギーとステロイドの2種類がある。

「ステロイドのほうが効果を実感しやすくて希望する患者さんが多いのですが、使い方を誤ると緑内障や白内障になるリスクがあります」(平松先生、以下同)

 軟膏のステロイドでさえ、目の近くで塗り方を誤れば失明の危機すらある。

 アトピー性皮膚炎で処方されたステロイド軟膏を目の周りに塗り続けた20代の女性は「なんとなく見えにくい」といって眼科を受診。すると「眼圧が40台と高く、視野欠損もかなり進んでいました。すぐにステロイドを中止し、緑内障治療を行って視力の悪化は食い止められました」

 炎症をとる作用の強いステロイドは副作用も強いのだ。

「ステロイド目は、症状が落ち着いたらなるべく早くやめたいもの。抗アレルギーでも、ほかの診療科で処方された目を2週間使って症状が改善しなければ眼科を受診してください」

市販薬も要注意1〜2週間で見極め

 市販の目でも使い方を間違えると危ない。

 コンタクト使用の40代女性。目がゴロゴロして充血もあり、市販の充血止め用目を頻繁にさしていた。数か月使い続けるうちに充血が悪化し、目に痛みも出てきて平松先生のクリニックを受診。

「検査の結果、ドライアイだけでなく、コンタクトレンズなどによる傷が目にびっしりついていました。そのせいで視力低下もひどかったのですぐに治療して、視力は回復しました」

 目の乾きぐらい市販で済みそうだが、ドライアイは市販では治せないという。

「処方なら改善する可能性はあります。市販の目は1〜2週間使っても症状が改善しなければ中止し、必ず眼科を受診してください」

教えてくれたのは

平松類先生
二本松眼科病院副院長・眼科専門医。

取材・文/冨田ひろみ