4位『おっさんずラブ-in the sky-』103票

 4位に入ったのは、これまた変化球の『おっさんずラブ-in the sky-』('19年 テレビ朝日系)。一世を風靡した前作から舞台を航空会社に変え、田中圭が客室乗務員を、吉田鋼太郎がパイロットを演じた。「男同士のピュアな恋愛事情にキュン♪」(54歳、北海道)という意見が多数で、やはりBLドラマという市場を切り開いた名作である。

『おっさんずラブ-inthesky-』では田中圭と吉田鋼太郎の恋模様が話題に
『おっさんずラブ-inthesky-』では田中圭と吉田鋼太郎の恋模様が話題に
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「舞台となっているのは架空の航空会社ですけど、LCCのPeachが撮影協力をしていて、ドラマ全体の色みがピンクで華やかなんですよ。田中圭のCA姿もピンクのネクタイも可愛くて、だからPeachを選んだのかと納得しました」(カトリーヌさん)

5位『NICE FLIGHT!』38票

 5位にはこの夏放送されていた『NICE FLIGHT!』('22年 テレビ朝日系)がランクイン。玉森裕太演じるJALの副操縦士と中村アン演じる管制官の恋物語を主軸にしつつ、「飛行機が飛ぶまでの大変さが理解でき、着陸するまでの様子がよくわかった」(46歳、福島県)というように空港で働くさまざまな人々の姿をリアルに描いた。

「このドラマで管制官が国家公務員だということを知りました。管制官の声に恋をするという設定も面白く、機長役が吉瀬美智子という女性パイロットなのも今どきだなと。制服を着るときにスローモーションになったり、料理をする玉森くん、洗濯をする玉森くんなど日常生活がいちいちCMっぽく撮られていて、萌え要素も満載でした」(カトリーヌさん)

 5位以下のラインナップを見ても、刑事モノ、企業モノにアイドルドラマと、ひと口に航空業界ドラマといってもその内容はバラエティーに富んでいる。

 朝ドラでもかつて『雲のじゅうたん』('76年 NHK総合)という創成期の女性パイロットを主人公にした名作があった。時代時代で必ず航空業界ドラマが作られているのは、それなりの理由があるとカトリーヌさんは分析する。

「花形であるパイロットとCAはもちろん、管制官、グランドスタッフ、税関職員と、いろいろな職業に支えられているから群像劇として描きやすい。同時にすごく頻繁に新しいものに置き換わっていく業界なんです。スチュワーデスからCAに呼び名が変わったり格安航空ができたり……というように、時代とともに業界自体が変化していく。

 景気にも敏感ですし、コロナの影響を真っ先に受けたのも航空業界でした。それゆえドラマでも描かれやすい。今は民間の宇宙ロケットも飛びはじめましたし、これからはSFではなく現実のドラマとして、宇宙を舞台にした作品が登場するかもしれません」(カトリーヌさん)

 前作の朝ドラ『ちむどんどん』がマイナス面での反響が大きかった作品だっただけに、否が応でも注目が集まる『舞いあがれ!』だが題材の選択は正しかったようだ。

「まだ序盤ですが物語がヒロインにフォーカスされているし、空への思いも凧が模型飛行機になり、人力飛行機になり、やがて本物の飛行機へと順番を踏んでいるのもいい。きちんと起承転結を描いてくれるありがたさを噛みしめています(笑)。幼なじみ役の赤楚衛二くんはもちろん、今後パイロット仲間として登場するSnow Manの目黒蓮くんにも注目。ジャニーズのパイロットの系譜が脈々と受け継がれているのはさすが! この先の展開も期待していいと思います」(カトリーヌさん)

【航空系ドラマランキング】
1位 スチュワーデス物語('83〜'84年、TBS系)249票
  出演/堀ちえみ 風間杜夫
2位 やまとなでしこ('00年、フジテレビ系)239票
  出演/松嶋菜々子 堤真一
3位 GOOD LUCK!!('03年、TBS系)158票
  出演/木村拓哉 柴咲コウ
4位 おっさんずラブ-in the sky-('19年、テレビ朝日系)103票
  出演/田中圭 吉田鋼太郎
5位 NICE FLIGHT!('22年、テレビ朝日系)38票
  出演/玉森裕太 中村アン
6位 アテンションプリーズ('06年、フジテレビ系)30票
  出演/上戸彩 錦戸亮
7位 スチュワーデス刑事('97年〜'06年、フジテレビ系)27票
  出演/財前直見 水野真紀
8位 沈まぬ太陽('16年、WOWOW)26票
  出演/上川隆也 渡部篤郎
9位 ぼくの姉キはパイロット!('87年、TBS系)25票
  出演/浅野温子 男闘呼組
10位 TOKYOエアポート〜東京空港管制保安部('12年、フジテレビ系)23票
  出演/深田恭子 佐々木希

カトリーヌあやこ●漫画家、ドラマウォッチャー。『週刊ザテレビジョン』にてイラストコラム「すちゃらかTV!」、『週刊朝日』にて「てれてれテレビ」を連載

(取材・文/蒔田陽平)