悪習慣11 丼もの、ラーメンを食べることが多い

 丼ものやラーメンは糖質が多く、食後に血糖値が急上昇。その結果、血管に負担がかかり動脈硬化につながってしまう。食後の高血糖を防ぐために、主食を半分に減らしておかずをしっかり食べるゆるい糖質制限がおすすめ。

悪習慣12 晩酌にはビールや日本酒が欠かせない

 アルコールの中で糖質を多く含んでいるのは、ビールや日本酒、甘みの強いワインなどの醸造酒で、例えばビール中ジョッキ1杯(約500ml)の糖質量は約15.5g。お酒を飲むなら焼酎やウイスキーなどの蒸留酒や辛口のワインがベター。

悪習慣13 お酒はやめたがタバコをやめられない

 ニコチンの作用で交感神経が興奮し、収縮した血管に多くの血液が送られることで血管内皮が傷つく。さらに血糖値上昇や脂質異常に関与し、血栓ができやすくなったりと、タバコは血管を猛スピードで老化させる大きな要因となる。

悪習慣14 コロナがきっかけで運動不足に

 人の身体には“使わない機能は衰える”という性質がある。血管も同じで、運動不足で血流が少ない状態が続くと血管は弱って細くなる。また、筋肉は血管から糖を取り込んでエネルギーとして使用するが、運動不足で筋肉量が減ると糖の取り込みも少なくなり、血液中に糖があふれて血糖値が上昇してしまう。

悪習慣15 寝る前スマホで、つい睡眠不足に

 睡眠と心臓の働きは密接に関係しており、睡眠不足だと不整脈が起きやすく血圧も上がりやすい。できれば1日7時間は質のいい睡眠をとりたいもの。寝る直前までスマホなどを見ていると交感神経が興奮し、眠りの質が下がる。

※写真はイメージです
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悪習慣16 イライラしやすいせっかちな性格だ

 すぐにイライラしたり、ささいなことで怒りっぽかったり、いつも時間に追われていたりするせっかちな性格は、ストレスに弱くて交感神経が緊張しやすい。気づかない間に血管と心臓に負担をかけやすくなっている。

悪習慣17 最近サウナに通うようになった

 急激に身体を温めて発汗を促すため、サウナは心臓にある程度の負担をかける行為でもある。サウナに入る場合は、時間をかけて少しずつ身体を順応させていくことが大切。サウナ初心者が短めの時間で切り上げている場合は問題ないが、長時間入るのは避けたほうが賢明。

悪習慣18 歯磨きは歯ブラシだけで行う

 歯周病にかかっている人はそうでない人と比べて、1.5倍から2.8倍も心臓病などの循環器疾患になりやすいとも。また血中に入り込んだ歯周病菌が動脈硬化の原因になることも。歯間ブラシやデンタルフロスの使用で歯周病の予防を。

悪習慣19 夜中にトイレに行くときははだしだ

 急激な温度変化は心臓や血管に負担をかける。夜中に暖かい布団から出てパジャマ姿に、はだしでトイレに行くと、寒さで血管が収縮して血流が悪くなってしまう。身体を冷やしすぎないよう上着を羽織りスリッパをはくこと。

悪習慣20 熱めのお風呂につかるのが好き

 脱衣所で服を脱いで身体が冷えた状態で熱いお湯につかると血管が拡張して血圧が下がりやすくなってしまう。場合によっては意識が遠のくことも。冬場の入浴時は脱衣所を暖め、熱すぎない適温のお湯に入るべき。

冬の血管を守る生活習慣ベスト5

ベスト1 睡眠時間を確保する

 1日7時間が理想的。できれば寝る2時間前にはスマホなどの電源をオフ。

ベスト2 暴飲暴食、塩分を控える

 規則正しくバランスがよく、塩分控えめの食生活は健康の基本。

ベスト3 日々に軽い運動を取り入れる

 毎日、血流を適度に促進させて血管を鍛えよう。

ベスト4 激しい寒暖差に注意する

 夜中のトイレ時には上着を着てスリッパをはく、風呂場は暖めるなど工夫をして。

ベスト5 タンパク質をしっかりとる

 丈夫な血管を作る材料となるタンパク質は食事のたびに摂取する。

 教えてくれたのは……サクラクリニック院長 野田泰永先生 ●筑波大学卒業後、東京女子医大病院、筑波大学附属病院などを経て1998年から現職。日本循環器学会認定専門医。著書に『怖い「血管死」を防ぐ 食事&トレーニングメソッド』など。

〈取材・文/熊谷あづさ〉