作品の3分の2ほどは森さんが寄贈

 この美術館とは設立当初から深い関わりがあった。

「公立の美術館がファッションを扱うのは非常に珍しいことです。森さんからは“美術館でファッションを扱うならば、その専門の学芸員を育成していかなければいけませんね”とお話しいただきました。以降は、私ともう1人の学芸員がその分野の勉強をしています」(前出・学芸員、以下同)

 所蔵作品の3分の2ほどは森さんが寄贈したものだという。

「ご本人から寄贈のお申し出がございました。‘07年と‘15年に大規模な展覧会を実施した際には森先生にお越しいただきました。‘15年には開館10周年ということもあり、受付スタッフの制服をデザインしていただき、現在も大切に使っています」

 今回の展示に合わせて“2代目社長”も登場するという。

特別展を行うにあたり、ご家族からのご意向などはございませんでした。追悼展の開催についてご報告したところ、長男の森顕さまから “母の大好きだった郷里のこの場所で、母の話をしてみたい”というごお申し出がありまして、講演会が実現しました。内容については、ご長男という立場から、森英恵さんの思い出話をなさると聞いております

 長男・森顕氏の講演会は1月21日に開催予定。母のブランドを立て直せなかった息子は、母の故郷で何を語るのか――。