ところが、大きな“壁”が立ち塞がる可能性も。2022年12月に公開したアニメ映画『THE FIRST SLAM DUNK』(東映)が、8週連続の1位を達成中で興収89億円超えを記録。このまま9週、10週となれば、100億円突破も現実味を帯びる大ヒット作だ。

 そして翌週の2月3日には、興収400億円超えの『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』(2020年、東宝/アニプレックス)の続編となる、『鬼滅の刃 上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』が公開を控えている。

 新シリーズ放送を4月に控えた映画『鬼滅』の2作目は、テレビ版「遊郭編」のクライマックスと、新たに「刀鍛冶の里編」第1話を収めて公開するイレギュラー作。それでもテレビ放送を待ちきれない、多くのファンが足を運ぶのは必至。

SNSのトレンド入りで「見なきゃ」

『レジェンド&バタフライ』とはジャンルが違うとはいえども、大ヒットを狙うには『スラダン』や『鬼滅』のアニメ勢に打ち勝つことが最低条件となりそう。

「『レジェバタ』目当てに劇場に足を運ぶのは、現時点でおそらくは木村さんや時代劇、歴史ファンが中心。さすがに“レジェンド”の『無限列車編』超えは困難でしょうが、“先のムーブメント”を再現できれば近づけるかも」

 企業マーケティングを担当する広告代理店営業マンが言う“ムーブメント”とは、2022年11月に開催された岐阜県岐阜市の『ぎふ信長まつり』のこと。“信長”に扮装してパレードに参加した木村を見たさに詰めかけたのは、同市人口を上回る46万人。それ以上に、観覧チケットを求めて96万人以上が応募するなど、連日にわたっての“信長パニック”がニュースなどで伝えられた。

「この大きな“ムーブ”を生んだのが、今や“口コミ”の役割を果たしているツイッター等のSNS。大スターである木村さんが“地元に来る、見れる”との投稿が徐々に拡散されていく内に、特別ファンでない人にも“見なきゃ”という気持ちにさせて、市内外、県外に広がっていきました。

 映画でも『鬼滅』や『スラダン』に通じるのは、大宣伝を打ったわけではなく、映画の話題や感想を投稿するユーザーが多くて自然とSNSのトレンドに上がったこと。こうなると、今まで作品に触れたことがないライト層も“観なきゃ”とばかりに、ブームに動かされて劇場に足を運ぶ流れができます」(前出・広告代理店営業マン、以下同)