一度は受けてほしい「経腟エコー検査」

 大島先生は、卵巣の状態を確認する方法として、「経腟エコー検査」を挙げている。これは腟から細いプローブと呼ばれる棒を入れ、超音波を当てて卵巣を見る検査だ。

「100%とはいきませんが、経腟エコーを受ければ、卵巣がんの原因になりうるチョコレート嚢胞などを見つけることが可能です。無症状の検診の場合は自費診療となり、料金は5000~6000円程度の施設が多いです。

 また、放射線を使わないので安全性が高いというのもメリット。健康診断のオプションでつけられる場合も多いので、一度も受けたことがないという人はぜひ試してみてほしいと思います」

体験談「検診のオプションで早期発見。摘出できて命拾い」

 48歳のときに受けた人間ドックの子宮がん検診のときに、オプションに経腟エコー検査があったので、念のために選択して受けました。

 その結果、チョコレート嚢胞があるとの診断。3か月に1回、経腟エコー検査での経過観察を続けることになったんです。

 きっかけの人間ドックから2年後。50歳のときの経腟エコー検査で、チョコレート嚢胞が大きくなり、内部にごつごつしたかたまりができていると先生に言われ……。開腹手術を行ったところ、卵巣がんになっていました。

 手術では、子宮、卵巣、卵管、骨盤と大動脈のリンパ節、腹膜の一部を摘出。最終的にはがんが卵巣にとどまっているステージ1で、すべてのがんを摘出することができました。

 定期的にエコーをしていたおかげで、手を打つのも早かった。心からほっとしました。

大島乃里子先生●クレアージュ東京レディースドッククリニック婦人科顧問。日本産科婦人科学会専門医、日本婦人科腫瘍学会専門医。
大島乃里子先生●クレアージュ東京レディースドッククリニック婦人科顧問。日本産科婦人科学会専門医、日本婦人科腫瘍学会専門医。
教えてくれたのは……大島乃里子先生●クレアージュ東京レディースドッククリニック婦人科顧問。日本産科婦人科学会専門医、日本婦人科腫瘍学会専門医。

取材・文/オフィス三銃士 イラスト/倉持寛子、関 祐子