大西被告はツイッターで《何年も何十年も続いてきた性暴力に、本気で向き合う政治を》と投稿し、痴漢被害については《#痴漢ゼロ》《#痴漢被害撲滅》のハッシュタグをつけるなど、性犯罪を痛烈に批判していたのだが……。

盗撮はトイレ内の通路から個室の上部にスマートフォンを差し入れて撮影していた。身を隠すでもなく堂々としていたようだが、実は大西が女装していたとする話もあるのです。結婚しており、妻にまだ幼い娘もいたというのに、よくやりますよ」(同・社会部記者)

“性自認”悪用の危険性

 念のためJR東日本の関係者にも話を聞くと、

「こちらとしても事件を知ったのが警察からの連絡によってなので、詳しいことはよくわかっていません。しかし、警察から大西が女装していたという話はあったようです。具体的にどんな格好をしていたのかまではわかりませんが」

 女子トイレに侵入するため“盗撮目的で女装する”という行動はひたすら気持ち悪いが、それだけでは切り捨てられない側面もある。

 今年2月、埼玉県富士見市の女性市議は、県LGBT条例についてSNSに動画を投稿し、ある問題提起をした。

 女性市議は動画で、自民党県議団が県LGBT条例に関する意見を公募したところ、一般女性から届いた女性用スペースの安全を求める声が“差別”として扱われていたことを明かした。さらに、

「“心は女性”だが“身体的には男性”の人が女子トイレに入ってくることを私は怖いと感じる」

 そう女性市議がLGBTの支援者に伝えたら、

「それはあなたの男性恐怖によるもので、カウンセリングが必要だ」

 という返答があったというのだ。

 そして女性市議は動画で、

「現状、LGBT条例制定後の埼玉県の審議会においては、“性自認ベースのトイレ利用”や災害時、避難所運営のあり方、差別の通報窓口、女性の生存権や恐怖を軽視した形で議論が進められています」

 と訴えた。仮に、当事者が主張する性自認による性別のトイレ利用が認められることになれば、大西被告のような性犯罪者が入り込む可能性も否定できない。

 2017年に衆院選に出馬していた大西被告は、LGBTをめぐる課題に関するアンケートでこう回答していた。

《社会の中には、いまだに性的マイノリティの人たちへの誤解や偏見が存在しています。性的マイノリティの人たちが暮らしやすい社会ほど、すべての人たちにとっても暮らしやすい社会といえます》

 LGBTに関する理解も訴えていた大西被告。社会が変化していくためさまざまな議論がなされる中、自らの欲望を満たすため利用することを考えていたのか――。