自分のキャリアにオーナーシップを持つことの大切さ

 そんな彼は転職後に、印象に残る言葉をツイートしていた。

《転職して良かったのは自立とは何かを理解できた、オーナーシップを持つという事》

 その真意を聞くと、

「会社や組織に属していると、その組織をとても巨大なものに感じていて、自分のキャリアに関して、能動的に動かないものですよね。大企業は特にそうかもしれません。

 僕は転職をして環境が変わり、世の中の人はこんなにヒリヒリした環境でやっていて自立とは何かを理解して、キャリアオーナーシップを持って生きているのだと感じました。

 アナウンサーの時は、どうしても他人の評価軸が重要で、なぜ評価してもらえないのだろうと疑問に感じることもありました。でも、今の僕は自分自身のキャリアに責任を持って意思決定できているのだと改めて実感してます」

 PIVOTの行動指針の一番始めに「我々はプロスポーツチームだ」という言葉があり、そこに一番感銘を受けたと語る国山氏。

「PIVOTはひとりひとりのプロフェッショナルが集まっている会社です。それぞれ、アスリートがチームに所属して、移籍していくような感覚を持っている。僕はいかに自分の能力や、価値を高められるかが重要だと思っていますし、それがスタートアップ企業に参画する醍醐味だと思っていますね」

 新たな環境に身を置き、新しい一歩を歩み始めた。最後に「これからの未来」について話を聞いた。

「5年後には意外とテレビでキャスターをやっているかもしれないし、政治家を目指しているかもしれないし、起業しているかもしれない。でも一貫して“伝えたい”という思いが僕にはある。

 伝えることで社会貢献をしたい、というのは就活の時から言っていたのですが、その軸はぶれずにその手段としての職業があればいいと思っています」

「これからの未来」について話す国山ハセン
「これからの未来」について話す国山ハセン
【写真】テレビ局を退社後も変わらず華やかさのある国山ハセン

 恐らく、今のポジションはアナウンサーとしてのキャリアをスタートした頃には想像もしなかった場所だろう。転職を経て、自身のキャリアオーナーシップを持つことを実現した。彼のこれからの活躍がますます楽しみだ。

※国山氏のセカンドキャリアや転職に対しての考えなど詳しい内容はWebサイト『エンタメ人』にて→https://entamejin.com/column/archives/7052

国山ハセン(くにやま・はせん)●1991年1月5日生まれ。東京都出身。元TBSアナウンサー。2022年末に同社を退社。現在はWEBメディアを運営する株式会社PIVOTでプロデューサーとしてコンテンツ作りに取り組みながらタレントとしても活動中。
取材・文/別府彩(べっぷ・あや)●タレントキャリアアドバイザー。10年間フリーアナウンサーとして活動。31歳で遅咲きのグラビアデビューを果たし、『踊る!さんま御殿!!』などのバラエティー番組に出演。33歳で芸能界を引退。自身の転職経験を活かして、株式会社エイスリーでパラレルキャリア・セカンドキャリアを望むタレントのサポートを行う。